行政書士石山政義による法務にキラリ その15

公証人役場と行政書士の上手な利用について(3)
金の貸し借りと金銭消費貸借契約書・強制執行について
今回は、上記テーマを御話ししてみたいと存じます。
金を貸した借りただ、縁が切れただなんて古今東西何処でもある話ですが、そんないやな経験をしない為にも公証人さんを大いに活用しましょう。
借り手からすれば、なにがなんでもお金が必要なわけですからプライドもなく、なんでも言うことは聞く筈です、お互いにとって一定額以上だなと踏んだら冷静に必ず以下のことを確認しておきましょう。
まず、1)契約書を作成していいか、2)公証人役場(http://www.koshonin.gr.jp/)でその契約書の認証してもいいか、3)お互いに実印を押して印鑑証明を付けようじゃないか、4)もし返してくれなかたら、すまないが強制執行してもいいか?ハハ。5)ついでに差し支えなかったら保証人をつけてネ。を確認しておいてください、借り手は一瞬、たじろぎ「友達だろう、少しの間だから、水臭いぞ」とか抱き込みにかかるでしょうが、負けてはいけませんゾ、友好関係を維持するためにも。でも最後には、ウーン、分かった!と言うことでしょう。のどから手が出そうな金の魔力には叶わないのです、ハイ。
最悪上記5は借り手の環境によっては不要かもしれませんが、4は必須で、返して貰えなかった場合の執行約款ですからこの一文があることにより借り手に有無を言わせず強制執行ができるという強力な法的効果があるからです。
さて、了解がとれたら、市販の金銭消費貸借契約書で契約書を作成(文房具屋に行けば売ってますが認証するのに最低限必要項目がありますから公証人さん又は行政書士等のところで事前に確認したほうが良いでしょう)し、当事者で直接認証してもらうのでしたら上記ア)印鑑証明、実印と身分証明(運転免許証、パスポート等)を持参、代理人に委任するのであれば上記ア)と委任状二枚用意し、それぞれに債権者、債務書の実印押印したものを受任者に渡し、公証人さんのところで審査、認証してもらいます。肝要なのは必ず本人が契約書又は委任状に署名押印しましょう、出来れば当事者が臨むのであれば公証人の面前にて署名すればベスト。(たとえ行政書士等(http://www.gyosei.or.jp/)の代理人に依頼するにしても署名は当人必須!)
これで契約書に執行約款が記載され(債務名義)、公証人によって認証されましたから、お金を渡してもいいですヨ、借り手は戦々恐々、強制執行という言葉の脅しは、それは効き目があるのです。当事務所でも個人、法人とも代理・代行申請しておりますが九割方は何事もなく終わっておりますから。
 さて、支払期日に支払いがない場合は若干の猶予もいいですが、ここは厳しく以下のように強制執行の準備をしましょう。
まず、認証(債務名義)してもらった公証人のところにいき、?強制執行文付与の書面での御願いと?相手にその付与つきの債務名義を特別送達してもらいます。公証人はその認証した執行約款付契約書を確認し、停止条件等新たな資料が必要でない限り上記?、?の作業をしてくれます。そして、いよいよ相手に強制執行をしますが、実行するのは第三者機関です。相手の財産の内から何に強制執行するのかにより違ってきますが不動産であれば裁判所(http://www.courts.go.jp/saiban/zinbutu/sikkoukan.html)、貴金属、美術品等の所謂、動産であれば執行官(http://www.courts.go.jp/saiban/zinbutu/sikkoukan.html)が扱いますからそれぞれに上記?、?と当初認証してもらった債務名義等を持参し、申請します。裁判所、執行官とも書類に不備がなければ執行決定し、不動産の場合はまた別の日に説明しますが、動産の場合は差押禁止物(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S54/S54HO004.html#1000000000002000000002000000002000000000000000000000000000000000000000000000000)(民事執行法131条)を除き申立人に差押日を連絡し、債務者が占有しているものを差押していきます。そして、2週間から1ヶ月位の間に処分し、配当という形で債権者に支払われます。
概略だけでもお分かりのように、ことほど左様に公証人認証の債務名義というのは心強い書類であって債務者にとって恐怖なのです。
当事務所におきましては、公証人さんの御役目と消費者との歯車的存在である、街の法律家である行政書士が如何に関わっていくかを数回にわたり、他の日記を挟み乍ら、述べていきたいと存じますので御期待ください。
石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
Te l03-3317-3388 fax 03-3317-1419
Emil: ima@oak.dti.ne.jp
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