行政書士石山政義による法務にキラリ その16

公証人役場の活用と行政書士の上手な利用について(4)
相続と生前遺言書の作成について
今回は、上記テーマを御話ししてみたいと存じます。
一般的な死後相続については、知識豊富な皆さんにはある程度情報を御持ちの事と存じますし、想像されるトラブルについても先刻承知でしょうから、もっぱら生きている間に自分の財産を好きなようにして思い残すことのないよう綺麗サッパリしたいという生前相続を中心にお話して、そこに公証人(http://www.koshonin.gr.jp/)さんが如何に関わり、その効果や如何ってことを述べてみたいとおもいます。ただし、今回は負の財産と推定相続人としての申請は想定していませんので、読者の皆様にはその点を一つ御了承の程宜しく御願いいたします。
尚、生前遺言書には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、そして公正証書遺言の三つがありますが、本日記では公正証書による遺言証書を作成するに当たっての決め事と手続を御話しいたします。
早速、本題に入りましょう。まず、貴方が亡くなった場合①何を②誰に相続させるのか、そして③誰を執行人(実行する人)として指名したいのか、最後に④公証人の面前に立ち会ってくれる証人二人を誰にお願いするのか。この①から④をあらかじめ決めておかなくてはなりませんよ、公証人の面前であれやこれやはではいつまで経っても認証できません。
では上記①から④を簡単に説明しましょう。
①一体、自分の何を遺言したいのか、それは(ア)物的財産なのか、あるいは(イ)身分的事項なのかを決めなければ話になりませんね。
ア)物的財産とは自分名義の不動産(土地、建物が中心になります)、動産(車、宝飾品等)現金預金(本人通帳名義、生命保険、傷害保険等、現金、債権、証券等)。
イ)身分的事項とは例えば自分の子供のうち次女が全然面倒をみてくれずお金をせびって親を大事にしないので推定相続人から廃除したい、はたまた自分には隠し子がいるがその子供を認知して財産を相続させたいぞ、と決心している場合。
②ものが決まったら、その自分の大事な物、身分的な事項(本日記では廃除して欲しい推定相続人を例にとってます)を誰に相続させ、あるいは誰を廃除したいのかを決めなければなりませんが、いまひとつ突っ込んで物的財産に関しては(ウ)正統な相続人に相続させるのか(エ)それ以外の他人等にも遺贈(正しい推定相続人以外の人に相続する場合はこの用語を使います)したいものがあるのか、を考えなくてはなりません。
相続人の相続権と持分は、民法で決まっていますし、賢明な読者は承知していらっしゃると存じますから述べませんが、だからといってその持分通りに相続させる必要はないですヨ。っていうのは確かに相続人には遺留分減殺請求権http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_13.htmlがあり、おまえのが多いから規定とおりよこせとかなんとかは主張する権利があるということです。したがって遺言書とは別ですので思いどおりにやっていいのです。気兼ねなんかしていたら遺言なんて書けないじゃないですか。公序良俗に反しない限り、公証人から若干のアドバイスがあることもたまにありますが大方では遺言者に沿った我が侭な遺言も公正証書として認証できるのですよ。
③さて上記、①、②で決めたことは、貴方が亡くなったら誰が実行してくれるのかを公正証書に謳っておかないと後々、トラブルになります。相続人、親族はやめておいたほうがよいでしょう、って言わずと知れたこと。第三者、出来れば、専門資格者である行政書士http://www.gyosei.or.jp/)、弁護士(http://www.toben.or.jp/)、税理士(http://www.tokyozeirishikai.or.jp/)、司法書士http://www.shiho-shoshi.or.jp/等を遺言執行人として指定すればまず、問題は起きません。これは大事な事ですよ、法的な処理能力ある専門有資格者の存在は決定的ですから事前に決めておいてください。
④いよいよ公証人のところにいき資料を持ち込んで口述しますが最後に(オ)貴方が自身で公証人に臨む場合、(カ)上記③で述べた行政書士、弁護士等の専門家に相談しながら臨む場合、とでは手続というよりは参加する人間の手配の仕方に違いがあります。っていうのは、この公正証書による生前遺言書は証人二名の立会いと署名押印が必要なのです、上記(オ)でいくのであれば、貴方の友達等に御願いするしかありませんが、事情を説明しなければなりませんし、台所、家庭事情等といろいろと煩わしい部分が関わってきますが(カ)の方法は、そんなことは気にせず、最初からそのようなことはわきまえていますからスムーズに運びますし、専門家として最初から筋道を立てながらアドバイスもすることができますから貴方にとっては心強い筈です。また同時に遺言執行人として指名することもできますから安心でありますし、公証人との信頼関係もありますから是非お勧めしたいですね。当職である行政書士の証人としての幾多の経験からも断言できます。
以上のことが決定しましたら貴方は次のものを用意いたしましょう。
一 個人印鑑証明書と実印
二 身分証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証等)
三 上記①の財産の存在を示す資料(不動産登記簿謄本と固定資産評価証明書、現金・定期預金通帳、生命保険証書等)。たくさんあるのでしたら整理して簡単に財産目録を作りましょう。
四 上記③で決めた相続人(受遺者)の存在を明らかにするために、その方達の住民票(場合によっては戸籍謄本)は用意したほうが確実です
これらを準備して、最寄の公証人役場に出向いて、また御体が不自由で行けなくても、公証人は貴方の家に来てくれますから安心してください(この場合、住所地を所轄する公証人にお願いすることになります)。
そして、証人二人(持参するものは認印と身分証明等)に立ち会っていただき、貴方と財産の確認をし、遺言内容を口述、それらを書面化し、公正証書として認証します。この間、約三十分程ですか。
これであとはなにがあっても、この公正証書があれば親族、裁判所でも何処でも通用しま
すから御安心ください。また貴方がもし、その後、認証して貰ったこの遺言書を取消し、
あるいは修正したい場合はそれも可能ですからネ、一言申し添えておきます。
当事務所におきましては、公証人さんの御役目と消費者との歯車的存在である、街の法律家である行政書士が如何に関わっていくかを数回にわたり、他の日記を挟み乍ら、述べていきたいと存じますので御期待ください。
石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
Te l03-3317-3388 fax 03-3317-1419
Emil: ima@oak.dti.ne.jp
URL http://www.ishiyama-office.com


関連リンク
行政書士等(http://www.gyosei.or.jp/
日本認証サービス(http://www.jcsinc.co.jp/
公証人さん(http://www.koshonin.gr.jp/
法務省ホームページ(http://shinsei.moj.go.jp/
裁判所(http://www.courts.go.jp/saiban/zinbutu/sikkoukan.html
東京弁護士会http://www.toben.or.jp/
税理士会http://www.tokyozeirishikai.or.jp/
司法書士http://www.shiho-shoshi.or.jp/