行政書士 石山政義こと碧雲山人の時空遊泳

俗塵を払って(8)
山登りは辛くも愉し、にキラリ(4)
先日に引き続き、春山、常念岳、そして大天井岳をやっつけて、表銀座を逆行し、槍ヶ岳を背にし乍ら燕岳目指して、合戦小屋へ下るルートの続きを語ってみたいと存じます。
すざましい雷鳴と共に我々パーティー常念岳小屋に避難して危うく一命を取り留めた翌日、懲りもせず、再び、雪と嵐のなか晴れるのを期待し、稜線に。


一時間程して、漸く雪は止み、晴れ間も見え隠れしだしたものの、まだ風が残るなか、東大天井、大天井岳まで一気に詰めたところで相棒と昨夕の検証、とばかり再び真っ白になった常念岳、蝶ケ岳のルートを振り返り、春山は侮れないなアー、っと、感傷と反省、そして改めて黙祷。
キリッと踵を返して北上、大天井ピーク2921メートルを確認。雪も気になり、余裕もなく頂上を一瞥するのみで西東に長く展開する雪屁が気になる。気を引き締め緊張感を漲らせ、互いに目で合図。無人小屋を左に確認、大天井を右へトレース。
昨夜来の雪で踏み跡はないが、お互い3回程、このルートをやっている筈だから頭では分っていても一面、雪と岩稜ではあやしいな、と感じるのは何処の輩でも同じだろうなアって考えながら切通岩に差し掛かる手前は左右とも細く、雪屁には一段と神経が働かさねばならず、岩と低い松を目印にするも次第にその間が詰まってウーン、道はどうしようっておもい、手探りで右手で刺したピッケルにいつもの手応えがないので、右足で踏み込んだ、とその瞬間、ズボッ、ズルっと拙僧の身体が右に傾いた。あッ、まずい、雪屁を踏んだアー、一瞬全身が凍てつき、頭が真っ白。

声を発することも出来ず、ヤバイ、俺がアーッっと、ピッケルシャフトで雪を突き、左手で松を摑むが、右足は宙に浮いている、ぞー!ピッケルをもう一度刺し、今度は松の根本を上半身で抱きかかえ、漸く右足を岩に取り付けることができた。生きたアー、その間、わずか5秒。フーッ、即、検証をしてみると松と岩の間の底なしに足を踏み入れたわけで、真に松に命を救われた格好。相棒はこの危機を知らずにルートハンティングに余念がない。拙僧は両足が地に着いているがまだ身体が震えているのは余程恐ろしかったのだ、と改めて思い返しながら半分は戦意喪失。恐ろしい体験をしたものだ、と道々あの瞬間を頭の中で再現する。
既に稜線は視界も良好、神々しい穂高連邦が我々を魅了するなか、左側9時の方向に凹凸の激しい北鎌尾根を、左後方に天を突く槍ヶ岳。ウーン、あの北鎌尾根は昔やったなアって、少し余裕も。やがて蛭岩を過ぎ燕岳ヒュッテに到着。二時半。
小屋に入ってザックを降ろしゴーグルを外し、ビールで乾杯!そこで拙僧が先の体験を話すと、エーッ!だって。あとはおぞましい現場をリアルに手取り足取り語ったことは言うまでもないが、なぜか酒が進む進むワ、回りの連中も入ってきて盛り上がったもんサね。
あー、生きてて良かった、また生きさせて貰ったなあって感謝、感謝。
でも、いま想い出してみても、あの感覚ってのは、雲の上を歩いていて突然、ズボって、足が雲の下から抜け出たもんかなアー、下から見ているとなんか足がバタバタしているヤツがいるぞって、まるで風神雷神が雲上闊歩して足踏み外しちゃったってのと一緒かなと勝手に想像しているんですが・・・。
やっぱり、山は怖いけど愉しいな。
いかがでしたか、今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。
石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
Te l03-3317-3388 fax 03-3317-1419
Emil: ima@oak.dti.ne.jp
URL http://www.ishiyama-office.com
日本認証サービス(http://www.jcsinc.co.jp/
公証人さん(http://www.koshonin.gr.jp/
法務省ホームページ(http://shinsei.moj.go.jp/
山水河原者(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%AD%E5%B8%AB
茶室(http://www13.ocn.ne.jp/~chakou/sub1.html
笠間日動美術館http://www.nichido-garo.co.jp/museum/exhibition_archive_0705.html
新田次郎http://www.city.suwa.nagano.jp/Contents/Contents.asp?CONTENTNO=327