行政書士石山政義による法務にキラリ その28

行政書士による公証人と遺言書作成にキラリ(2)。
前回、遺産分割協議書に関して日記を綴ったとき相続人が養子だったですが、これから述べます生前遺言書に関する案件もやはり遺言者は養子でありました。
本日記を読まれる前に、予備知識として当職の過去の日記キラリ(その16)を是非、読んでおいてくださると有難いですね。
では、いきます。それは武士発祥の都である神奈川県鎌倉市における事案でした。
鎌倉駅を西口に出て10分程歩くとひなびた商店街があり、そこから枝わかれしてさらに7分のところに1階は店舗と貸倉庫、二階、三階が住居となっており、そこに住む72歳になられた極楽寺幸恵(ゴクラクジサチエ)さんという方からの依頼。

新緑が風にわずかに靡き、生きしものの新たなる息吹が聞こえる。
幸恵さんは22才のときに、かって、ここで惣菜店を経営していた親戚筋で極楽寺夫婦の養子になりました。養父母には二人の子供がいましたが長男は家業を継がず、出て行き、長女は28歳のときに死亡、その後は養父母夫妻と幸恵さんが必死になって鎌倉のこの店を守ってきており、これからもこの地を親類縁者に伝えていきたいという思いがあり、そして結婚もせずずっと養父母と共に一生懸命働いてくれたこの養子を不憫と考えたことでしょうか、その間、ここの土地、建物を養父から何回かに分けて最善の方法を選択していきながら売買、贈与により幸恵さんに取得させたようです。
ところが昭和58年に二棟のうち店舗であった左一棟が消失、その時点で家業を廃業、その後、養父も養母も相次いで亡くなり、平成8年に幸恵さんは自力で3階建ビルを建て、1階を店舗として貸し、二階、三階を住居にし、二階を本人が三階を自分の実の妹に住まわせたものの、最近は健康も優れず御自身の将来に不安を持つようになったと同時に養父母から託された、この土地をずっと守って行きたいと念じたのでしょうか、自分の判断能力のあるうちに誰でもない自分の実の妹(66歳、独身)である有谷不妙惠(アリタニフミエ)さんに託したいということでその方便を当職に求めてきました。
さて当職としては売買、生前贈与、生前遺言証書の三方法を提示し、それぞれの利益不利益を説明しましたが、お金が掛からず、事務煩雑さがなく、死後、確実で即効性のある生前遺言証書作成ということに決まり、早速その作業に入りました。
まず、遺言人である幸恵さんと不妙惠さんのそれぞれの戸籍関係の資料集めからはじまり、遺言財産の特定、公証人役場での証人二人と遺言執行人の人選を開始し、当職が懇意にしています公証人との打合せに入りました。
遺言人に配偶者と親、祖父母はいませんが、養父母側に実子であった長男がいましたが死亡、その子供には代襲相続により相続権はありますが遺留分減殺請求権はありません。遺言人の実兄弟である兄にも相続権がありますがこれとて遺留分減殺請求権はありません。
したがって、本遺言書にて妹さん一人に財産を相続させることを謳うことによってその全ての権利を確実に引き継ぐことができます。
さて、財産に関しては土地、建物、本人名義銀行・郵便局通帳・生命保険証書のコピーを用意してもらい通帳番号、金額等を特定して財産目録を作成、証人は二人必要ですので当職と幸恵さん及び妹さんの顧問税理士に、そして亡くなって以降の遺言執行人には顧問税理士が就任するということで準備が整い、再び当職と公証人と生前遺言証書内容と裏付資料等の最後の打合せをして本人、(この場合、遺言を受けるかたの同席は通常ありません)顧問税理士、そして当職と公証人が面談する日時を決定。
ここまでくればもう終了したも同然、三日後、幸恵さんと顧問税理士と駅で待ち合わせ幸恵さんは実印、我々専門職は職印を用意。席上、幸恵さんは公証人となにやら、しみじみと苦労話をしだし、ホッとした様子。公に近い場でいままでの苦労とその責任の重大さ、そして後世に襷を渡すことができたことの安堵感からでしょうか、何回も何回も御辞儀をしていたことが印象に残りましたネ。
帰り道々、幸恵さんと不妙惠さんを思い浮かべてみまして、お姉さんは非常に元気で、両こめかみにいつも白いサロンパスを小さく切ったものを貼っており、話をするときは鼻の穴を大きく開いて元気に幕し立てているのに対して、不妙惠さんは、か細く青白でボソボソと話すのを比較してみるとなんとなく妹さんのほうが先立つような印象を、会う度にその感を強くしているんですが困ったなアと、内心不安がありますが、まあー、いっかアー。
にしても仕事柄、こんな光景を結構体験しますが、度に人生模様を実見しているようでいつも考えさせられますが、その先を述べたところで詮無きことかなと思います。
当事務所におきましては、日本中にある許認可申請と事実証明書類作成、また公証人さんの御役目と消費者との歯車的存在である、街の法律家である行政書士が如何に関わっていくかを、他の日記を挟み乍ら、述べていきたいと存じますので御期待ください。
石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
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