石山政義の恐怖の山シリーズ第8弾その3

鎌倉碧雲山房は雲襄亭主石山政義の恐怖の山シリーズ第8弾その3(その2はこちら)

於当山鎌倉碧雲山房 槿(ムクゲ) 花弁のヒラヒラが夏の風に吹かれると、おおきく真っ白な蝶の如く早朝の碧空に映える
さて、本日も一気に富士山登攀の続きということで。
精神的にも肉体的にも限界に達したであろう友人は、拙僧の必死の願いと叫びにも関わらず登攀ルートを左へ左へと逸れていく。「おい、やめろ!こっちへ戻れ、バカヤロー!そのアイゼンじゃだめだ!そのルートを降りろ、おい!!」っと、叫ぶ、その刹那!「う!うわア、落ち・・・石さ・・ん・・・」と微かな呻きみたな声と同時に、下のほうで、ザザッ、ガガ、バババッ!っという湿ったいやな音を立て、周りに不気味に響いていく。
エッ!まさか、瞬間、拙僧の頭と身体が凍てつき、時間が止まった。
「なんだって!なんでだ!あのバカヤロオ〜・・・くっそう!」拙僧は音がしたほうへ即、踵を返すが、吹雪と雪煙が彼とのあいだを遮る。かまわず、ザクザクッ、ガリガリ、ズズッ、と、ピッケルとアイゼン技術を駆使し、彼の名を呼びながら猛スピードで傾斜を下降していく、この間、わずか10秒。
50メートルほど下降しただろうか、確かこのあたりで彼の叫びを聞いたのだ。目の前には直径30センチから1メートルの岩の塊が雪をかぶってる。「オイ、どこだよ!返事しろヨ、オイイ〜!」が、返事はないのだ。
もしや、もっと下へ落ちたのだろうか、とすると、身体的な損傷は免れないだろうな、っと悪いほうへと考えてしまうのも人情なのだが、にしてもまいった!なんで、こうなるんだ。半ば諦め、今度はゆっくりと岩塊の間を確認するようにゆっくりとアイゼンを利かせながら下降していると、いた!赤いゴアテックスの上下がいたのだ!思わず「オイ、大丈夫か、怪我はないのか、このバカヤロウ、返事をしろ」っと言いながら近づくと、彼は岩にしがみついて身体を震わせており、もう恐怖のどん底だ。
もう一度「おい、大丈夫か、怪我はないのかよ!」と言うと、口をガクガクしながら「だ、だいじょうぶだ!わるいな。アイゼンが厳しくて限界さ!怖かったゾ!死ぬ!っておもったな」なるほど、しかし、まだ彼の眼の焦点は定まっていない。つづけて目の前の岩を見ながら「この岩がなかったらアウチだったかな、イシさん、俺、もうダメだよ。こんな精神状態と吹雪じゃ、自身ないナ」と、彼はもう、すっかり戦意喪失だ。
彼のその言葉は真実だろう・・・もう無理かなあ、拙僧は素早く計算する。8合目か、あと400メートルほど登れば頂上の筈。時計をみると9時半、吹雪は相変わらずで視界もままならないが・・・・11時の登頂はちょっとな、拙僧は迷った。これを逃すと冬はもうこれないだろうな、だがこいつをなんとかせねばならんな・・・諦めるか。
っと、見えない頂上を睨みながら地団駄踏んでると、しがみついてる岩からやっと離れて態勢を整えた彼が、仁王立ちして沈思黙考、苦渋の判断をしなければならない拙僧を察してか、絞るような声で「わかった、イシさん、行こう!おれ、やってみるよ、だがゆっくりやってくれ、それとあと5分やすませて、スマン」というおもわぬ言葉に拙僧は喜んでいいのか悲しんでよいのか分からずこう言ったものだ「いいのか、確かにあと少しで完遂だし、俺としては登攀したいのが本音だ、が、おまえが弱音を吐くのも無理はないし、降りてもいいんだが・・・」すると、彼は「いや、なんとか大丈夫だ、ただ、足がガクガクしてなあ、身体の震えもまだ残ってる。これさえ治まればいける、いこう」と、覚悟したように拙僧のほうを見据えて言ってきたものだが彼の目をしかとみるこができず真実がみえない。しかし我々は再び登攀続行を決断したのだ。
が、彼のこの苦渋の判断と拙僧の醜い山欲が、わずか一時間後に更なる事件を引き起こすことになるのだった。

つづく


いかがでしたか、今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。

では、また。

石山政義 法務・行政事務所

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