行政書士 石山政義による数寄な時空遊泳にキラリ 恐怖の山シリーズ第8弾その5(その4はこちらから)

富士山厳冬期登攀恐怖の山シリーズ第8弾その5(その4はこちらから)
仕事に追われたり、考え事、ものを書いたりしていると、精神的、肉体的に疲れ果て、やれ観念だのヘチマだのという世界から離れたくなる。そんなとき、拙僧の場合はこのような理屈は抜きにして確固たる美術品なんぞを眺めつ触れつつしながら、適当に時空遊泳を試みながら愉しむことにしている。自然、気は和み、英気が蘇ってくるのだ。
    
於鎌倉碧雲山房 母屋正面玄関飾り棚の中心に置き合わせてみた 一段上がった奥に高麗青磁瓜形瓶、そして手前には南宋は均窯の平皿。球体に近い前者の胴から裾の雅やかで流れるような美しい姿と、かたや水平を基調とし、口辺と高台の垂直さがビシっとして隙がなく流石に南宋で完璧さと強固さ、美しさを追求した陶磁器。両者とも決して張り合うことはなく、ほどよい緊張感を部屋全体に放つ。気品があり存在感抜群で、素直に受容できる逸品。ともに西暦1250年前後といったところか
さて、回りが早いとこ、山の続きを書いてクレロとか、恐怖は暑いうちに載せろだのと非難?轟々とうことで早速、いきたいと存じます。
ではいきますね。
踵を返して降りを決断した我々は猛吹雪のなか、慎重に歩行を進めていった。
しかし、テント設営基地までの想定した時間はとうに過ぎたにもかかわらず見当たらない。しかも周りの景色もまったく違い、雪で半分埋もれた六合目の小屋をも確認することができない、確か、右斜面の小さな丘にあった筈ではなかったか・・・・
時計は3時を回っている・・・・やばい、ルートを外したか、うーん・・・・
彼は、ひたすらルートを右へ右へと這いづっていくのだが時々立ち止まっては白灰色の吹雪の見えない向うを凝視しては重い身体に鞭を打ち、けだるそうに歩いてく。
が、漸く異変に気付いたのか、ゆっくりと後方を詰める拙僧に振り向いて、こう口を開いたものだ「イシさん、ルート違ったな・・・俺ら、どこにいるんだろう・・・どうする、来た道を戻るにも、雪で跡が消えていくし・・・」と、全ての原因は自分だと想わんばかりに積もった雪にピッケルを深く刺し、ザックを下ろし、そのまましゃがみ込んでしまい呆然としている。
その、あまりの打ちひしがれた姿を観察しながら拙僧も流石に言葉がでない、しかも寒さで口がおもうように動かず喋るのももどかしいのだが、彼を元気付けなければならないのだ。
そして彼の側まで近づき「おい、時間的には本来ならテントは見えてもいいのだが・・・迷ったかもな、しかし五合目近辺をほぼ水平に取り巻いている一本路がある筈だし、テントはその脇にある。俺達はまだその路にたどり着いていないのではないか」
続けて「周りの景色は傾斜もだいぶ緩やかになったし岩稜も途絶えてきたことからすると、テント場に着くかは別にして、もう少しで路にでるのではないか」と、かじかんで、ろれつが半分回らない口調であったが努めて明るい表現で言ったものだ。
すると彼は身体を起こし乍ら「そうかイシさん、わかった、歩こうよ、もう少し降ろう、そして、はやいとこ、暖まって酒呑もうや。しかしどちらに・・・」
ふー、少しはよかったかな、にしても、こいつは無類の酒好きだからなあ、酒癖が悪いのも無類なのだ、って、なんといっても度を越えるとスッポンポンになって隣の部屋だろうが何処だろうがおかまいなしに行っちまうから始末におえないからなあ・・・
そうだった、かって、新婚夫婦を尋ねて歓待され、いい加減呑んで寝静まった夜中に、この輩は裸で隣の夫婦の部屋に入り込んでウロウロしていたのを新婦に気付かれて大騒ぎ。さすがの旦那も烈火の如く怒り、締め出し喰らったこともあったなあ・・ったく、馬鹿なやつめ、っと、なぜか急に想い出し、拙僧はおもわずニヤリと笑ったものだ。
彼は、相変わらずゴツゴツ顔で怪訝そうに拙僧を見つめている。まあ、憎めないヤツではあるのだ、ハハ。
さて、進路の判定を振られた拙僧は迷い、ゆっくりと周りの地形に見遣った。左側斜面と正面はなだらかだが果てしなく感じ、路があるようにもおもえず、右側斜面には小さな尾根がいくつかある。たしか夏山のルートは尾根伝いにあった筈だし、尾根を降ってる限りは少なくとも横にはズレないのではないか。
しかし、突然に拙僧のあたまを過ぎったのはあの青木ケ原の樹林帯だった。
もし、5合目と路を見失い、方角をも間違えてそのまま突っ切っていけば入ってしまうだろう、あそこに入るとまずいなあ、あいつは知っているのだろうか・・・くっそう・・・えーい、ままよ!
ということで思い切りよく彼にこう言った「右の低い傾斜を詰め、尾根伝いに降りていこう、いいか、今度は俺がルートハンティングするよ」
そして、我々は尾根に向かい歩き始めたのだった。確実なあてがあるわけでもないのに・・・・う〜ん、ピッケルが重い。
そして、拙僧の脳裏に今度は、恐ろしい言葉「リングワンデリング」が蘇ってくるのであった・・そう・・・2年前の1月厳冬期、南八ヶ岳頂上直下での彼と、もう一人を含めた我々は猛吹雪で動けず、視界もわずか2メートル、結果、同じところをグルグル回って、やがて疲れ果てたところで一人が滑落しかかったあの忌まわしい事件が・・・・ふたつの危険に晒されながら我々はトラバースしながら下へ々と降りていったのであった。
つづく

いかがでしたか、今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。
でも、山って怖いけどやっぱり愉しいですね!
では、また。

石山政義 法務・行政事務所

所長 石山政義 

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