数寄者石山政義の時空遊泳その93 11月の某茶席披露茶事

今年もオっと11月がきてしまった(右下は当碧雲山房から観る11月13日6時半の旭日)
ったく、ゴルフも全然上手くならないし、といって軟鉄アイアンはどんどん増えていくしサ
おかげさまで拙宅の三畳台目茶室はアイアンと茶道具だらけで寝る場所もない
ちょっと寝返りうつとアイアンガラガラ、寝背伸びしてもドサバサと茶道具が落ちてくるから全然動けやしない
まあ仕方ないサネ、数寄が嵩じた結果だから全て受容しようヤ
ってことで相も変わらずの気儘で数寄な御話をひとつ
つい先日、東京は世田谷にて茶席御披露目茶事に招かれた
平日ということもあって、うちの事務所職員には、「大事な案件があって11時から15時までは決して連絡は厳禁、クライアントにもその旨言っておくよーに」と伝えたもんだ
それでもなんとなくうしろめたくなってきたから「昼は小口から出して美味しい昼飯、そーだ、お魚食堂の旬のカキフライを食べていいよ。うん、ついでに3時のおやつに駅前のシュークリームを御馳走するからネ」とか言い包めて万難を排して臨んだ此度の茶事なのだった
まあ、なにをやるにしても拙僧としては職員あってのモノだね。疎かに扱うととんでもないシッペ反しがくるからなア
では早速、拙僧の記憶のもとに当日の取り合わせをば
待合
 床  小堀宗中 遠州家戒 (宗中は中興の祖と。言わずもがな・・・)
本床
 床  江月宗玩書 (さすが江月、縦、横書きも上手い。まさに縦横無尽!)
炭点前
 釜  芦屋釜  環付 鬼面 (博多芦屋と比較して霰が丸い、とは亭主話)
 環  銀象嵌四方
 香合 織部   (いいねエ  土も柔らかく織部独特の青も美しい)
 火箸 大徳寺古釘を使用して
 灰匙 小堀家先代好
懐石
 四碗 汁 併せ味噌に大根六切 からし添え (う〜ん、出汁が利いてるウ)
 向付 鯛の昆布〆  (脂がのり過ぎだが結構甘く昆布〆具合もいい・・)
 煮物 タラバ蟹  (こりゃ、美味いゾ 蟹みそがてんこ盛り、贅沢ウ〜) 
 焼物 グジ    (焼き具合は丁度いい、でもこれも脂がのってたなア) 
 強肴 くちこ   (肴にはもってこい)
 強肴 人参、大根、からすみ和え物 (意外と庶民的な味にビックリだぞイ)
 吸物 生姜    (サッパリして口直しにはうってつけ)
 八寸 百合根、くちこ(くちこはぶ厚く百合根も大きく気持ちのいいもンだ)
濃茶
 床  
  花 椿、時の葉を添えて
 花入 竹花入 (下一重口切だが清潔でキッパリ 権十郎だったか)
 水差 備前 矢筈口 (こりゃア渋い!存在感たっぷりの玄人好み)
 茶碗 粉引 (著名なモン、小振り乍ら轆轤が利き、他の追随を許さない)
 茶入 海鼠手 (大正名器鑑所載と承ってる なだれも自然 こしきも絶妙)
 茶杓 遠州作 (美杓さネ!露は僅かにある、節操がある)
薄茶
 床
  花 菊
 花入 唐物
 水差 古染付 (所謂芋頭手 地の白と青コバルトのコントラストがいい)
 棗  蒔絵  (金砂粉、金切金を散らした贅沢なもんだなあ〜、こりゃ)
 茶杓 遠州御当代
 茶碗 御本手 (見込みの御本(ほんのり赤い)も品が良い)
 同  宗入  (意外に重かったのには小ビックリ 赤は宗入赤の典型)
 同  しょんずい手 (いかにもいかにも・・鮮やかなモンに感服)
以上