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それでは早速、庭シリーズ第３段をば（その第２はこちらから）
さて、本館を右に見遣り乍ら路を進めていくと、先の閉塞感は一気に解消され、対岸には春霞に薄く煙る箱根の連山がどこまでも柔らかく、その緩やかな裾野を借景に築山形式の庭が広がる。
左右には意外と地味な数寄屋建築が二棟、その間を延壇と石段が縦横に走り、その左側東屋斜面横にこれまた裏山を借景にした枯滝石組みと長い枯れ水石が打ってあった。
地元の石を利用したと承っていたが全体として荒っぽく、ガツンとした組み方で、落ち着きのない組み方だな、という印象が残っている。
おまけに周りには無駄な石がいくつも打たれており、ここでもやはり先の本館前の庭同様、周りを意識しすぎて自然との調和がとれておらず、この地における庭造りに対する考え方に随分と違和感を覚えたものだった。
こういう環境のなかではなによりも自然に溶け込む必要があり、けっして知恵とか知識が勝ってはいけない。
人間、どう足掻いても自然が授けてくれた悠久なるものに優れるものでもなく、すんなりと受け入れればよいはなしで、そのことの摂理に逆らった結果だと考えるが如何なものだろうか。
ところで、この美術館の庭には楓が２００本だか３００本が植栽されているという。
晩秋、早朝における薄霧のなか、適当に蛇行する断続した延壇をゆっくりと歩きながら赤、黄、薄緑などの数百本の紅葉を想像すると、確かに圧巻なことだろう
しかし、これは好みなのだが木々の、それぞれの高さ調整から枝払いまでを、おそらくは徹底管理されているこの楓を私はあまり好きにはなれない
画一でない、つまり高さも違えば枝ぶりも違う、暴れたものもある、というのが本来の姿でありそれを観賞するのが本当の姿のような気がする。
まあ日本全国、いづれの植木一つ見ても、はたまた盆栽もそうなのだが○だの△だのと刈り込んだり削ったりとなんでも干渉したがる日本人らしいといえばそういうことになるだろうか
つづく・・・・・
今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら茶の湯、庭、山行、居合、古美術、そして酒等と思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。
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