碧雲山房は雲襄亭主石山政義の時空遊泳にキラリ５８　庭の作庭と鑑賞２

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先般、神奈川は箱根美術館へ行き、かの庭を検証したによって、早速にブログに載せるべく傍らにはお気に入りの李朝一合徳利に唐津酒杯を盆に載せて準備万端、漫ろに始めることに。
まずは八海山で喉を潤してと、天井見つめて美術館での庭のことを考える、っと前々回の大河内山荘でも述べた、ここの回遊式庭園は拙僧の記憶通りだったとつくづく想ったことだった
即ち受付を入ると路は左右に岐れ、右は本館へ、左岐は右３０メートル上部より計算されて打たれた滝石組みがあり、人工的？な水が流れ、そこに小さな橋が掛かる。その先には長い延壇がゆったりと蛇行しながらいくつかの茶室へと導びいている
一方、本館へ向かう路はそれとは対照的に、路の両方に巨岩を折り重なるように打ち、その先を意識的に隠しているようにも見え、観者の興味をそそり、さながら隠者の棲家といったところか。
自然石の塊と玉石で構成された十段程の石段を昇っていくと路は右へほぼ直角に曲がっており、その先には洋式建築の美術館が目に飛び込んでくる。
その入り口前には一つで構成された庭がほぼ対角線上に二つの小庭に別れ、北西に展開してるのは根切りの深い末広がりの安定した石で周りを十数本の孟宗竹が取り囲む。
そして南南東にもやはり山型の一石を打ち（もしかしたら脇石が打たれていたか）、石の根もと近くに馬酔木（あせび）が、少し間合いをとって大きな萩がそれぞれ植栽されており、とくに萩の咲く季節には秀麗なことだろう。
前者はひとつで完成品、後者の場合はそれぞれが観賞の対象になり独立しているように観えるがやはり三者一体とみた
全体の構成としては成功しているが、ただ其処此処に数寄屋建物の裏方の端々が見え隠れするのが気になる。それらを垣根等で上手く同化させているという努力は認めるが観賞する側からすると閉塞感が否めず気が散ってしまう。
本館を眼前に控え、いわば美術館の顔役といったところだ。しかも周りが山、ってことを考えればここはやはり開放感に満ちた気持ちの良い空気が流れていて欲しかった、というか自明の理だったのではなかったか。
つづく・・・・・(その第３はこちらから)
今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら茶の湯、庭、山行、居合、古美術、そして酒等と思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。