数寄者石山政義の時空遊泳　その７１

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だいぶん、鎌倉も彩めいてきましたねエ、いやいや愉しみなことです
さて、本日は先般の鎌倉碧水舎における無頼武者連の稽古（こちらから）のその後の顛末を語ってみたいと存じます
ではいきましょう
翌１０月１３日の京都は無双直伝英信流山内派の大会を控えた拙僧、都内で一杯やっていい気分で鎌倉帰宅したのがまずった
翌朝は、弟子の携帯バイブ音が三畳茶室に響いて目が覚めた
慌てて家中、右往左往の着の身着のまま鎌倉駅に、という大失態
気付いてみれば半ズボンに半袖という季節外れの拙僧の出で立ちにブレザー着込んだ弟子も一歩下がったと記憶している
いやはや、朝っぱらから一騒動、まったく以って先が思い遣られるとはこの事
車中、弟子には弁解の弁の字もなく、が、しかし面白可笑しく綺麗に片付けてしまうのが拙僧の取り得
で、新横浜では今井一派７人衆とうまく落ち合ったのはいいが、冬支度連と拙僧とのあいだにはなんとなくいやな距離感が漂う・・・・
が、ここでも得意の詭弁で適当に弁じたところで矛先を朝の弁当に仕向けて難なくスルー
皆さん各人それぞれのこだわりを込めた弁当買い込んで暫時車中へ乗り込んで本日の抱負を愉しく語り合うもやがて心地よい眠りに入っていく
うつら気分で到着した京都は初秋らしく、暑くもなく寒くもない絶好の居合日和
８時４０分に着いた、ここ武徳殿ではかなりの人数が集まっており、皆さん、今か々　の勇ぎ心であるのは明々白々
総勢２００人ちょい、ってところか、山内豊臣名誉会長の挨拶を合図に早速居合演武が始まったのだった
太刀打ちの位を皮切りに両手早業、片手早業と木刀の、あるいは真剣の鋭い音が歴史あるこの武徳殿に鳴り響く
そしていよいよ本番の自由７本の演武が粛々と行われていく
わが同士、今井一派や如何に、っと観覧すればこれまたなかなかの出来ではないか
師匠の日頃における厳しい指導が随所に正しく伝わっているなア
なるほど、弟子連のこの形と業は今井氏だからこそだな、っと内心微笑んだものだ
同じ英信流山内派であっても微妙に業が違うのはそれぞれの師匠の個性、更に言えばその師匠と先師との伝承方法と葛藤の表れであろう
要は我が英信流山内派に連綿として伝わっている精神と形、そして業ごとの理合いの大事を正確に伝えるという確固たる意思と覚悟があれば許容の範囲ってことか
さて、拙僧？
それははじめ悪けりゃなんとかってやつかな、その、なんつーか朝寝坊の延長戦ってやつ・・・・ガクッ！
正面には玉座があってサ、そこで神前に深々と礼をしたまではよかったのです
そのあとの正座と刀礼を唯一、拙僧だけが東に向かってやっちゃたのだ
ア〜？ウーニャアー！と気付いたンだけど今更戻るってのはオトコが廃るってもんでそのまま平然と、その精神と覚悟に則って堂々と演武したつもり・・・・・
終ってみれば４時半、日は右へ傾き京都の街は情緒豊かに暮れていく・・・・・
う〜ん、我々はこれから呑み会なのだア〜
なんだかんだと言いながら誠に感慨ひとしおの一日ではあった