碧雲山房は雲襄亭主石山政義の時空遊泳にキラリ４３

数寄者　碧雲山房主人　石山政義の山シリーズ蓮華岳その１
夏山行前のささやかな打ち上げ
事務所ＵＲＬ http://www.ishiyama-office.com
Tel 03-3317-3388又は0467-23-3377
居合　鎌倉市は鎌倉碧水舎道場にて塾生養成中(http://ishiyama-office.com/iai.html）
Tel 0467-23-3377

後立山連峰は蓮華岳への登りルート。ここから３０分でピークだ。
今年も恒例の御盆休み、ってことで当職も８月７日から１５日まで休むぞオ〜、と職員全員に号令をかけたものだ。
ところが世間はそんなことは許すまじと、一つ、三つと打合せを強要してくるからたまったものではない。
とはいうものの断れない性質の当職のこと故、つい二つ返事で承諾してしまうから困ったことだ。
「はい〜、いいですヨ、盆休みですがねエ〜、ハハ、でもいきましょう！」ってなことで社長やら、室長だの、部長だのから電話がくれば調子よく応えたもんだから、もう大変、１０、１１、１２日と、ついには１３日まで、アっというまに手帳は黒くなっていく・・・
ヒエ〜、また休めないじゃン、本当は仕事したくないのになア〜、応えるンでなかった、と反省しても始まらない。
ヨシッ！ここは、ひとつなにがなんでも死守した８月９日の月曜を含んだ７、８、９と山に入ってだな、温泉にドップリ浸かるのだアー、と密かにほくそ笑んでは、夏休み入りの区切りだとかなんとか口実を作って、今宵今夜は仲間連を誘い込んで新橋は寿司屋鶴八の暖簾を潜ったものだ。
ここの店、亭主は癪もちだが寿司は確かな味。全てのネタに狂いはない、というと褒めすぎになるが、まず及第点。
特にこの日の鰹が微妙に脂がのっており、パクリと口へ入れ込んでは、冷酒をクイっと含めば、ア〜、ほんのりとした甘さと香りが五臓六腑にしたたか染み込んでいく。
つづくアワビの酒蒸、赤貝の分厚いやつ、香りも豊かな穴子焼き、蛸の微妙な甘さにひらめの昆布〆などの厳選されたものを矢継ぎ早に注文していく。
肴と酒でホロ酔い加減になった当職がこころはやがて明日の山行へと時空遊泳していく・・・・
そう、どこまでも碧い空に映える鋭い岩稜の群れとそれを薄く覆い隠すように白い雲海が悠々と動いていく、湧き出ては消えながら・・・・・
おっと、いつのまにか時代を経た檜のカウンンターには色も鮮やかな中トロに大トロが・・・オ〜！なんと幾何学的で美しい脂のスジだ。
まるで岩稜群の谷間から走る無数の真っ白な雪渓を想像させ、誠に清々しい。すかさずパクリ、っと、う〜ん旨い！新鮮な本鮪の赤身に適度の脂が一段と品良く決まって、パッと口中にひろがっていく。
寿司と山、そしてわが身が渾然一体。寿司、山連が我になりしか、はたまたわが身が山、寿司になりしか、いやはや、真実は酒のみぞ知る、ってところだなア〜。
愉しや、嬉しやで、やがて夜は更けていくのだ。明日の山行目指して、乾杯！
つづく