数寄モノ語り その194 朝陽の絵

さて、この一枚の絵は私が棲んでる御成山のこんもりとした感じも然ることながら、朝焼けの雰囲気がとてもよく似てるのでここに掲載してみた

     

  朝陽 岩絵具と金銀泥をふんだんに使用した濃淡さは日本絵画の極致 成田陽 画

わずかな朝霞のなか、殆ど無風状態

微妙な薄青緑の胡粉を駆使して重ねた結果の緑葉は

肉厚となって山全体に重厚さを醸し出して効果的だ

そして緑葉から垣間見える、ゆるやかな線で描いたいびつな立木はやわらかく

いまにも倒れてしまいそうにみえるが

しっかりとこの山を支えている

全体的には山というよりは、こんもりとした奥深い森といったイメージ

写実的ではあるが内的な心情を表現した印象派にも近いか・・・

しっとりとして、どこか神聖な空気を感じさせる絵とおもう