行政書士石山政義による公正証書活用にキラリ54

行政書士 石山政義の公正証書にキラリ第二話(第一話はこちらから)
ただいまの時間、22時30分、鎌倉は当山碧雲山房。鈴虫が喧しい。が、幸いにほどほどの雨が降っている。
山川草木をうつ雨音はむしろ中低音に近く、かれらの中高音の鳴き音とともに絶妙なリズムを奏で当山房に響き和たるのを聞きながら拙僧お気に入りの高麗青磁瓶徳利と、対する本日の酒盃、高麗青磁象嵌陰刻平杯が風情を添える。

当山は於鎌倉碧雲山房 実も豊穣な紫式部 昔日からこの紫は高貴な色として尊重されてきたが、なるほどな、と素直に納得してしまうのは拙僧だけではあるまいて
さて、前回に続き公正証書作成に纏わる実例を綴っていきたいと存じます。
相変わらず人ごみの多い歌舞伎町は夕刻になると厚化粧した老若女の出没率が格段に上がる。そしてそれらを渇望するかのように老若男が吸い込まれていく光景は人間の性とは申せ、いつの世になっても不変ではある。
でと、その歌舞伎町に程近い、新宿プリンスホテル地下の喫茶室に着くと、体がデカくいつもの派手な服装にとっぽいサングラスときたもんだ。
猫ではあるまいに見つけた当職に、手招きで「センセー、こっちです、こっちですよオー、センセは言うこともやることも早いっスから、ベンツぶっ飛ばしてきましたヨ、すいませんでした、御呼びたてしまして、何飲まれますか」と、一応申し訳なさそうな言いだ。
しかし、相変わらずの風体で、外見は、やはりそちらのスジかなと思われても仕方がないなア、でも根は真面目でサングラス外せば目もパッチリで、しかも人懐っこいから、ついつい相談に乗ってしまうのだ。
で、当職は開口いちばん「社長、大丈夫なんですか、息子さん一人の為に、こんな事になるのはあまり例がないのですが、四人全員の印鑑証明、実印は揃うのですか。それと今回の執行約款付与公正証書の意味も先方は理解されているのでしょうか」
どことなく飄々とした風貌は15年前から変わらず、一呼吸おいて、こう言ってきた「ハイ、大丈夫であります、皆さん全員了解しておりますし、印鑑証明も揃います、実印もセンセーが来られる日程がわかれば全員待機させますから、えー」
一呼吸おいて「センセー、あっしは、いや、私はダチの家族をあれこれと、する気はないんです、いわば、脅かし、っちゃ、誤解があるかもしれませんがネ、私が、彼に金貸すときに最初からなんか手を打っておけば、こんなことにならなかったんですが・・・・」
へーえ、一応は反省してしているんだなア、鬼の目にも何とかってやつか、と感心。
間をおいて今度は当職が「わかりました、債務者、保証人全員が納得しているのでしたら御引き受けしますが、但し、当職としては当日、現地で今回の公正証書強制執行付与約款の意味、法的効力と、それが実行されたときの流れを説明しますが、了解していただけますか、それは相手にプレッシャーを与えるとともに出来れば最悪を回避する努力をしていただくためでもありますので・・・」
蜘蛛助氏は明快に「はい、センセー、結構です、専門家の立場からその事をビシッと言っていただけたほうが、その、あのですね、我々よりか利くし、怖さが何倍も増すと思います」そしてニタッっと笑って「センセイの、その、なんてゆーか真面目そうな顔と雰囲気でですね、きびきび歯切れよく言われたら効き目抜群じゃないっスかっ、ウエッヘヘ」だって。褒めてんのかなアー彼は・・・まあ、悪い気はしないが・・・・
そんなことは臆面にも出さず当職はこう言った「ハハッ、まあそれは兎も角、現状で揃っています書類を拝見しますと印鑑証明二人分、土地、建物謄本、それと今回の公正証書作成原因となる契約書ですか・・・残りの二人である次男と母親の印鑑証明書がないようなので、あとでその情報をメルかファクスで下さい、ところで利息、遅延損害金は如何されますか?法定利息上限以下で10%、遅延損害は付さない、ということでいいんですね。それと債権債務者、連帯保証人の全員の集まっていただく日時場所ですが、相手の御自宅、出来れば土地建物の所有者である御両親の御自宅がよいかと存じます。」と小気味よく言い放ったものだ。
続けて「公証人との事前打合せとその後の公正証書認証日の予約をすることを鑑みると、全員の集まる日は二日後の午後1時ということで如何ですか」と即座に回答を求めた。
パッパと畳み掛けてくる当職に、荒磯蜘蛛助氏は結構円らな目をパチクリして「ウエッ、センセイ、ちょっと待ってくださいヨ〜、先方に確認しなければなりませんし、早いんだからモー、ちょっとですネー、いくつか電話してきますからセンセー、冷めたコーヒー取り替えていただいてですね、待っててください、すいません」と言って席を立ってロビーのほうに足早に消えていった。
にしてもだ、代物弁済、二番抵当をいれてあるのに今回の一件。抵当権は一番が入ってるから意味はない、代物弁済を実行するにしても、どのみち一番抵当が邪魔になるし、移転したにしても免許税も高いなあ、とくれば、そっかあ
成る程、合点がいった、と、凡その推察をつけていると、蜘蛛助氏が、自信満々な顔をしてこちらに向かいながら、「先生、OKです、二日後の午後一時に現地で全員、顔を揃えて待ってます、あっし、じゃなくて、私がベンツで御迎えにあがりますから夜鷹の北口で待ってます、本当に助かりますヨーッ、センセー」とニコニコして大きな身体を椅子にドッカと預けて、冷めたコーヒーを口に運ぶ、その顔にはどことなく安堵感めいた表情があったのを当職は見逃さなかった。
ふーん、そーか、決まっっちゃったのかア、と、当職としては内心複雑な気持ちで「了解いたました、先方の方々は承知したのすか、では明日にでも公正証書に要する委任状の文案を作成し、公証人と折衝しましてその原稿を蜘蛛助さんにFAX、時間がなければ口頭にて御知らせしますので確認のほう、宜しくお願いします、では、明後日!」っと相変わらずの早口で事務口上と別れを告げ、ホテルを後にし、おっと、左の歓楽街には紛れ込まれないで、右のガードレールを潜り新宿駅目掛けて真っ直ぐに向かっていったのであった。
そしてお決まりのアサヒビールロング1本、サントリーチューハイショート2本にイカの足くんせい一袋を抱えて湘南新宿ラインに乗り込んだものだ。
つづく

いかがでしたか?当事務所におきましては、日本中にある許認可申請と事実証明書類作成、また公証人さんの御役目と消費者との歯車的存在である、街の法律家である行政書士が如何に関わっていくかを、他の日記を挟み乍ら、述べていきたいと存じますので御期待ください。

石山政義 法務・行政事務所

所長 石山政義 

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山水河原者(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%AD%E5%B8%AB

茶室(http://www13.ocn.ne.jp/~chakou/sub1.html

茶の湯 遠州流http://www.enshuryu.com/enshuryu.htm

茶の湯 裏千家http://www.urasenke.or.jp/index2.html

茶の湯 表千家http://www.omotesenke.jp/

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京都武徳殿(http://raku.city.kyoto.jp/m/sports/sisetu0035.html

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鳩サブレの鎌倉豊島屋(http://www.hato.co.jp/index.html

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