鎌倉碧雲山房は雲襄亭主 行政書士 石山政義による数寄者の時空遊泳40

鎌倉碧雲山房主人 石山碧雲の時空遊泳 偏屈堂の巻その1
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Tel 03-3317-3388又は0467-23-3377
居合 鎌倉市は鎌倉碧水舎道場にて塾生養成中(http://ishiyama-office.com/iai.html
Tel 0467-23-3377

於 鎌倉碧雲山房 門を入って十段ほど詰めた右側に遠慮しがちに咲く、くちなしの花。
真っ白、というよりはクリーム色に近いこの花は八重。 一重もあるが、その場合は実を成立させる。両者ともよく観察していると恐ろしく花の痛むのが早い、活きの良いのはわずか二日といったところか。
初夏から盛夏へかけての花のなかでは短命だ。花言葉では縁起がよいようだが・・・・う〜ん

いや、ここんところの梅雨は去年とは違って、湿気が身体にじわりと纏わりつくっていうんだろうか、兎に角、根深いものがある。
様々な花を愛でる為には、自然の法則、いたしかたないこととは申せ、辛いところではある。
でと、先日までは、生業業務のなかから建設業許可申請と外国人在留資格、特に永住権許可取得のテクニックに関係した仕事のブログを何本かやっつけてきたんで、ここはひとつ、湿気をぶっ飛ばすようにデッカイ時空遊泳を試みたいと存じますんでよろしく。
さて、以前、鎌倉の古美術商を愉しく紹介していくということで、既に二件ほど風変わりな美術商のことをブログったとおもいますが、本日はその三件目ってことでちょこっと語ってみます。
ではいきましょう。
鎌倉の小町通りでは、ちょっと古い二代目、偏屈堂のおはなし。
ここの先代は、戦前、目利きで鳴らしたことで有名、鎌倉に偏屈爺さんあり、ってなくらい名前がとおっていて、当時の鎌倉には余るほど在住していた文人墨客に出入りしては、売り買いをしていたから、彼らからも一目置かれていたようだ。
で、その二代目が、これまた屋号に何重も輪を掛けたように偏屈な輩なのだ。
それはもう半端じゃないんだから、まあひとつ、読んでください。
さて、久し振りに日曜は仕事もなく、居合の稽古も午前中に終わり、同輩連と蕎麦屋に入って、ビール一本、もりそば一杯、そしてトッピングにはピーマン、かぼちゃの天ぷら、ってやつで、サラリっと食し、いい気分で、ひとり、散歩することに。
小町をダラダラと歩きながら、やれ古本屋だの、古着屋だのと適当に冷やかして、教会を過ぎ、四つ角の二件目の豆やで試食品を十種類くらい、そう、マヨネーズ味から始まって、にんにく、抹茶、胡麻、しょうゆ、きな粉等々、様々な味に仕上げた豆をバリバリ漁ったものだ。
それにしても刀を背負って、狭い店内をウロウロしては試食品用の蓋をカパッと開け閉めしてはパクつくのはあまり上品ではないか・・・まあいいや、恥は掻き捨てってことで欲の趣くままよ、とばかりに次々と口へ入れ込んでいく。
よし、いい加減に喉も渇いたことだし、ここはひとつ暫くぶりに偏屈堂でも訪ねてあぶらを売ることにすべし、とかなんとか言って本当は茶を飲みたい一心さに、ごった煮になってる人を掻き分けて、いそいそと、かの店に足はむかっていく。
まてよ、かの偏屈堂めは豆やからわずか100メートルなのだが、彼も商売人だ、市場もあれば、商談もあるかな、などと一抹の不安もあり、そんときは仕方がないから八幡通りの骨董屋で茶を貰おうと算段。
二尺五寸の刀と稽古着背負ってるから、この湿気と暑さはちょっとキツいなア〜、閉まってたら許さねエぞ、この日本刀で門を一刀両断だア、なぞと嘯いてるうちにかの偏屈堂の倒れ掛かった門が見えた。
そして、門の中央やや左に腐りかけた木札が掛かっており「いちげんさまお断り」と拙い楷書体で書かれている。
偏屈主人の在室の合図だ。
オッ、やってるじゃないか、ウッヘッヘ!これで冷房浸かって茶を呑めるゾ、こりゃ、幸先から縁起がいいヤイってな感じでニンマリしながら、ゆるりと木枠の無垢なドアを開ける。
開口一番「ども〜、居るウ〜、イ〜シヤマですウ〜」っと、前後開閉式のドアを「ガチャリ」と開け、いつものようにスルリと中へ入っていく・・・・・・う〜ん涼しい、こりゃたまらんわい!
ところで、ここの店内は二部屋に分かれており、一つ目の部屋が玄関を入ったところ全部。向かって右側に土間形式の上がり二畳があり、そこには必ず花が活けてある。
で、その二畳に活けてる花が凄い、って、まあ、器は万年床ならぬ、いつもながらの室町後期の越前大壺。これはもう見飽きた。
問題はそこに投げ込んでいる花なのだ。そう、蛸の干し物だか宇宙植物みたいな凡そ得たいの知れない枯れかかった植物が無造作に入れ込んである。
華道のセンセーどうの、茶の師匠からあまりを貰ったの、とか言っていたが、この感覚ってのは、一体なんだろう・・・薄気味悪いったらありゃしないが、といってもはじまらないからやめた。
でと、いつもながら奥からはモーツアルト交響曲20何番かはわからないが凡そ、この雰囲気には相応しくなく、ただ悪戯に流れ響く・・・・・・・
おっ、と拙僧の声か、はたまた心が響いたか、その音もパタリッと鳴り止む。
その間、静寂が約10秒、突然、パタパタ、っとスリッパの音が不規則に鳴り出し、ろうけつ染めで「古美術偏屈堂」と鮮やかに染められたひとつ割れの暖簾がペロリっと潜られる。
出た、出たア〜!おさげ調のザンバラ髪のあんちゃんが・・・
そして、ヌ〜ボ〜と一言「あッ、こりゃ〜、御成のいしやまはン、おめずらし、山から目利きが飛んできたっ!て歌がありましたっけネ、イッヘヘ」と、つまらないことを言ってるわりには顔は真面目ってのもいつものことだ。
拙僧も「いよ、元気?ども、いやア〜」と挨拶にもならんことを言っては左側の椅子に座る。
左壁も二畳と同じ土間の高さに合わせた長さ一軒半の飾り床があり、1年前と変わらぬものが置いてある。そう、中国は南宋時代の影青輪花小皿二枚と明時代の古染、これも小皿だ。
モノはいいし、鑑賞用としては間違いないもんだが、拙僧からすれば小品すぎて使い道がないし、第一ほこりもだいぶ溜まってる。
彼は、挨拶もそこそこ奥へ戻り、たぶん、からっ茶を煎れにいってるのだろうて、まあ、なんでもいいから呑ましてくれればいいサってなもんで、こちらの思惑どおりに事は運んでいく。
もう一度店内を見回すと、亀の形をした硯らしきものがある。首をニュキっと前面に出し、前後に足が四本、尾っぽはクルリと巻かれている。ヘ〜エ、珍しいなあ、しかし、なんかグロテスクだよなア、しかも硯上が荒いのも気になるし、中国あたりだろうか、もしかしたら紀元前の漢時代もモノか・・・・掘り出しモンかもなア・・・・・・
よしきた、ここはひとつ、どうせ不味いだろう茶でも啜りながら聞いてみることにしようかな、と思案六法。
やはりやめた。なぜって、彼は一度喋ったら、もう止まることを知らない部類に属するから・・・・・しかも半端でないのが怖い。
以前、ブログでも紹介した美術商、あれも話だしたら止まらない輩だったが、それでも梯子をスッと外せば子供みたいに黙ってしまうのだが、この偏屈堂の旦那はそんな生易しいモンではない。
彼の場合は、話題を次々と変えていく、チェンジオブストーリサーファーってやつで、これに掛かっちまうともう手に負えない。
しかも先読みをして、外されると直感するや否や、目にも留まらぬ速さでスパッと話題を変化させるからこちらもタイミングを掴むことができす偏屈堂のペースに嵌りっぱなし。まるで久し振りの餌にありつくように容赦のない地獄絵図が繰り広げられていくのだ・・・
流石にいつも冷静な拙僧としてもイライラ、ていうか、なんとしても牙城を崩し、突破口を模索するのだが、そんな隙なんぞ見せる輩ではないから益々いまいましいのだ。
エ〜イ!いまに見ていろ、このオー、とか怒り猛々天まで昇れってやつ。
こうなるともう、話なんぞはろくに聞くわけもなく、こちらは秘策を練りながら撃滅作戦を繰りなすのだ。
ばかばかしい、っといってしまえばそれまでのはなしなのだが・・・・・
それにしても道具屋ってのはなんでこんなに一方的に、なお且つ傍若無人に喋るヤツが多いのだろうかといつも不思議におもっている。ったく、どおーいう神経と頭なんだろうか・・・・・・
機銃攻撃だけならいいのだが、時たま奥から手榴弾ならぬ凡そ観たくもない美術品を持ってきてはくだくだと一方的な説明でどかんと来られたぶんにゃたまったものではない。
もはや拙僧の気持ちと身体の五分の四はあっちだ。ついに居た堪れなくなって仕舞いには、「ア〜、そーでえすかア〜、じゃ、ちょっと、お腹が痛く・・その、用事思いだしたから帰るネ」とか誤魔化して店から退散するのである。
店を出た瞬間には必ずといってよいほど出る言葉「あ〜、疲れたア、あの店主のバカタレめ、もう来ねえぞオ〜」とかなんとか内心、捨て台詞噛まして反省しきり。
しかしながら骨董病いから抜け切れない拙僧としては飽きもせず、ついつい再訪してしまうのだ、誠に辛いことなのだが・・・・・
そして本日も来てしまった・・・そう、今日今宵、この四畳近い店のなかで激しいバトルがまさに展開されようとしているのだ。
つづく

いかがでしたか、茶の湯、居合と数寄者の世界は。今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。

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