数寄モノ語り その174 茶の湯と、ド派手な金箔茶器

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桑木中次茶器

さてと、久し振りに茶の湯のお話しをば

この一品

表面的にはどこにもある桑の木で作った、所謂、ズンドウ型の地味な中次茶器

元々は薬器から始まり、陶磁器製の濃茶入を保護する挽家に

それが見直されて、寂びれた濃・薄茶器として今日に至っている

しかしご覧のとおり、地肌も然ることながら色も地味

茶室内では間違っても目立つ存在ではない

ところが、いったん蓋を開けるやいなや

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眩いばかりの金科玉条の光彩が・・・・・

ご覧あれい、眩いばかりの金箔の光が暗い茶室に光彩を放つのだ

おもえばかつての桃山時代

日本国を平定し、ときの権力に君臨した豊臣秀吉

美術工芸品から果ては黄金茶室に至るまで

絢爛豪華な振る舞いを魅せ、金銀を尽くした時代

千利休の冷え、枯れの世界を理解しつつも

それを、よしとしはしなかった・・・・

そして既成観念を超越し、時空を超え、はるか彼方を目指した秀吉であった

権力の象徴である城の造りから装飾、調度品

将又、辻が花という衣装に至るまで、金銀尽くしの世界があった

日本歴史は別にして、文化を考えると非常に重要な分岐点だ

さて、この茶器と意匠

桃山時代に存在したか否かは分からない

しかし、その桃山時代の思想と感覚の一端を伺わせる一品ではある

っとおもう・・・・