鎌倉碧雲山房は雲襄亭主 石山政義による数寄者の時空遊泳36

 ここ二日間は雪が降ったり雨が降ったりで三月としては珍しいことだ。

於当山鎌倉碧雲山房 門を潜り正面の岐路には石垣と熊笹、お亀笹を背景にした江戸中期から後期にかけた燈籠が立つ
この熊笹連の中に混じって早くも新笹が吹いており、天気が、世間が、とかは何処吹く風ってやつで、まことに逞しいものだ。自然の摂理は正鵠で太古の時代から粛々と繰り返し続け、人間の入り込む余地のない世界であるが、そら恐ろしいことでもある・・・・

 当山鎌倉碧雲山房から眺望するところの山並みも早朝は霞勝ちになり春の訪れをひしひしと感ずることができる。
 さてと、昨夕は結構呑んだなア、名古屋だ、神奈川県庁だの、静岡だのと、この日は矢鱈と忙しかった反動だったからな、うん、などと言い訳だか反省なのかわからないが素直に納得する拙僧なのだが、呑んだ相手ってのは古美術商でね、この御仁がまた骨のある、っていうか骨と皮そのものみたいに痩せてるのだ。
 しかし、関東では五本指に入るくらいの目利きで、しかも若いのに度胸があるときたもんだ。どこが度胸かって2千万、3千万はモノがよけりゃスパッっと買っちまうってところさ、これは生半可なプロには真似できるもんではなく、目利き、度胸、金、見切り、と四拍子揃ってないことには成せるもんではないのだ、ついでに名前は射抜利屋(シャブリヤ)ってんですがね。
 で、その輩と実は東京駅は寿司屋「蝦蟇仙」で盃を重ねたってわけだから宴終わってみりゃ酒の空瓶がゴロゴロってのも致し方のないことでねエ。
 こんなときは数寄ものの常識として、酒杯は手持ちが当たり前、ってことで本日は拙僧がリクエストで高麗青磁の小さめでやや浅めの茶碗、一方は古染吹墨四方盃、これもまた珍しい代物で、この二者に御出になっていただき酒宴は賑々しく火蓋を切ったのであった。
 早速、カウンターに座り込み、ニヤけたあんちゃん捕まえて、いつもの檄早口調で「ゲソの塩焼きに、鯖、赤貝、平目、穴子の白蒸焼きをね」っと、一気に頼み込んでビールで喉を潤したところで、この射抜利屋がゴソゴソと箱をかき回しながら取り出だしたるは斐色鮮やかな高麗青磁
 雅やかな青磁の発色は世界の如何なる青磁にも優ると言っても過言ではない。氷裂の一切ない、完成度としては10レベルとすれば9ではないか、しかも見込み全体にフリーハンドで陰刻された網目とその内外をひょうきんに泳ぐ魚がたまらない。拙僧が酒を満たすと悠然と泳いでいるような錯覚に陥ってしまい、注ぐ度にに生き返って、まさに拙僧が魚になりしか、はたまた魚が我になりしか、酔うほどに蒼い湖中に吸い込まれ、魚が、拙僧がア〜、近づいてくるぞオ〜。
 よオーし、こうなりゃ、射抜利屋の思惑に乗せられても本望ぞ、この茶碗、もらっていくぞ〜、などと密かに心に誓ったのであった。
 やがて酒は八海山、緑川、そして酒仙銘柄、李白、と続き、もはや魚になったわが身の五臓六腑に高麗青磁とともに気持ちよく浸っていく。
そして、ひとつになった物体は今宵も春のにほいにのって心身とともに時空遊泳していくのであった。
 では拙い七言絶句を           
          尽日満酒杯対山 春霞緩而濃淡深 我酔将彷徨時空 清風襲臥碧雲遍
                                            御一笑々

いかがでしたか、茶の湯、居合と数寄者の世界は。今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。


石山政義 法務・行政事務所

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