碧雲山房は雲襄庵主 石山政義の時空遊泳 茶の湯と鎌倉の四季8

雲襄亭主 石山政義の茶の湯と居合いにキラリ その2
前回に引き続き、茶の湯と居合の続きといきましょう。

於当山碧雲山房 当日のメイン道場になる鎌倉碧水舎道場のピラミッド型ドーム屋根を当山中腹から見おろす 上部には、新緑が早朝の爽やかな風に揺られて鮮やかだ 空気が澄み、本日の茶の湯と居合の成功を予兆させる。
碧雲山房を綺麗にし、夕方近くにいそいそと小料理屋「まき」さんに出向いた拙僧は、付きだし二つ、蕗と筍の煮物、牡蠣の黄身そぼろ掛けでまずはビール一杯、まきさんにも一杯、そして赤貝の刺身で出羽桜吟醸を一杯、二杯と呑み、当日の向付の打合せに花を咲かせる。
結論は、築地でひらめを一本仕入れて四枚におろし、うち、三枚を茶事の前日夜半にそのまま昆布〆とし、当日朝、9時半に頂戴にあがるということで話は決まった。鯛もいいが、ややもすると脂が微妙にのりすぎるからこわい。したがってこの時期は味が均一しているひらめがいいのだ。そう、茶事懐石での花形である向付の王道をいこうというもの。
でと、御機嫌で碧雲山房に帰ってきた拙僧はひとッ風呂浴びて、母屋の水屋で道具をガサゴソと探しはじめた。
五人の侍は茶の湯の経験は殆どないからといっても疎かにはできないし、拙僧のポリシーが許さないから、精がでてしまうのだ。すなわち、床は橋本雅邦の桜観図か、はたまた江戸初期に活躍した煎茶道でも有名な隠遁数寄者石川丈山の雄渾な草書か、釜は古芦屋、水差しは古備前、茶碗は古唐津とそれあれ、薄器棗は・・・という具合に取合せをあれやこれやと考えいくうちに道具と御客人たちへの想いは、またしても時空を超えていくのだ。
さて、当日の行事とその趣旨を考え合わせた道具組の枠組みにそった物も凡そ出揃ったところで呑み直しだ、っと、やおら茶室から高麗青磁徳利と、ぐい呑み二つばかりを黒檀の盆に取合せて盃を傾ける。当碧雲山房内においては高級酒には事欠かない?(いただきものの酒が開けるのももったいなくて未開封のまま一升瓶七、八本がゴロゴロ)から、今宵は影虎の吟醸開封ということに。

高麗青磁陰陽刻瓶 竹を12本陽刻、それぞれを二つに割ってさらに陽刻していくので合計24本になる そして全ての竹に節を陰刻していく。氷裂がなく釉薬が地肌に密着して、完成度が高い作品だ。おそらく当時は斬新なデザインだったことだろう 施された青磁釉薬は当時から翡色青磁といわれ、世界に類をみないものと、南宗時代の中国から絶賛されたようにその端正で力強く、しかも洗練された姿と、いろあいは深く碧い  対する黄瀬戸六角盃、所謂白ッ茶けた色 だわだわとした器肌、そしてなんといっても窯変による海鼠釉薬が見込みに確認できる。まさにお手本に近いものだ。
黄瀬戸六角盃にトクトク、う〜ん、滲みるなア〜ッ、ホッッホ、肴は練り物のはんぺん三枚ほどを斜めから二つ切りにして、胡椒をふり、焦げ目が付く程度に炒め、皿に取込み長葱を少し細かく刻んで無造作に降る。そして醤油をサッと、ひとさし、なんとも香ばしい匂いがたまらず、ハフ、フヒいいながらの酒は一日の疲れを癒し、そして明日の茶事と居合への活力になるのだ、とか言い訳クダクダ、呑み食べし乍らするうちに二合はある高麗青磁徳利の中身が空になったことだし、ここはキッパリと本日はお開きにして、翌日の名亭主を全うすべく三畳の茶室閨に入っていったのであった。
さて、いよいよ当日がきた。早朝の碧雲山房では4時半頃より、鶯だのカラスだのリスだのと鳥獣の鳴き声が喧しく、五時過ぎには鎌倉の街を挟んだ対山から仄々とあかるくなってくるのが茶室の障子に映り、まったくもって自然と一体になっていることをじっくりと受容できる時間である、にしてもこのぶんだと本日は晴天間違いなしだな、と、拙僧は、内心ほくそ笑んだものだ。
よしッ!とばかりにガバっと跳ね起きてさっさと作務衣に着替え、水屋にて本日の道具を確認、そして上の碧水舎道場を開け、さらに上の茶室、雲襄亭の雨戸、障子を開け放ち、眼下の鎌倉の全景を一望。早朝の山頂の空気はいつも以上にうまい、うん、今日は来訪者のみなさんに喜んでいただけるように頑張るぞ、十時までが勝負だ、っとそれから9時までは雲襄亭と母屋を三回往復、茶道具が重いもなんのその、ヒイ〜フー喘ぎながらも五人の同志の為に、ここ踏ん張りどきだ。
めまぐるしく当山鎌倉碧雲山房を上よ下よ周ってるうちに、お〜、9時だぞ、まずい、東京から水屋助っ人二人が来る前に芦屋釜に水を張って鉄臭さを湯沸かししなければ、そして炉をあけ、炉中灰の確認を、昨日洗っておいた炉炭のコンディションも上々だ。
本日の軸、水差し、茶杓、茶碗等は全部水屋に用意してあり、あとは駆引屋の律儀氏が選別と香合等と床飾りをしてくれるはずだ。
さらに、懐石料理の受持ちは同じく舌鼓女史に御任せしたによって、間違いない。
そして、約束の9時半、山を降りて「まき」さんのところへ本日のメイン、平目の昆布〆をいただきに。
この御仁、腕はピカ一、鎌倉では知る人ぞ知る料理人で、つくづくありがたい方と出会ったものだと感謝しながら路々想ったものだ。
さて、拙僧が鎌倉碧雲山房に戻って5分と経たないうちにヤジロベイ士、イマイクゾウ士、そしてカメラワーク役としてハラヘッタジョウ士ら三人が道場に次々に集まり、10分後の10時ピタリに本日の主賓であられる山内派英信流相伝者、蓬莱先生と奥方が来訪され、師弟の挨拶を慇懃に交わし、早速に居合いの要諦、帝王学、そして究極を学ぶこと2時間半、碧水舎道場における我々は無念無想のもと、時空を超えてそれぞれに想いは無限に拡がっていく・・・
誠に以って濃度億万度の研修午前の部が終了したところで、いよいよ茶事だ。懐石、薄茶と茶の湯が始まるぞ、1時間半ばかり前に助っ人2人がデッカイ荷物を抱えて喘ぎながら雲襄亭に登っていくのを目撃しているから茶事の準備は順調に進んできることだろうて。
さて、拙僧は、と、茶事亭主役に変身の準備の為、先に失礼をば致し、大急ぎで懐石が始まる茶室、雲襄亭まで袴裾を帯に絡ませ、三助よろしくダダダッ、っと一気に石段を登っていったものだ。
ゼイゼイして、雲襄亭水屋に入ってみると、なんだってびっくり!
つづく

石山政義 法務・行政事務所

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