鎌倉碧雲山房は雲襄亭主 石山政義による数寄者の時空遊泳25

数寄者石山政義の洞庭秋月亭における茶の湯にキラリその5(その4はこちらから)

於当山鎌倉碧雲山房 母屋三畳台目茶室前の庭
手水鉢は東京の或る有名な茶室解体に伴い、目利きの某古美術商の店先に大事そうに布を掛けて置いてあったのを目敏い拙僧のこと、ここで出会ったが百年目、ということで普請好きさが頭を擡げ、有無を言わさず鎌倉の拙僧宅まで運び込んだという、重さ140キロの本鞍馬石。その肌の鉄色が時代を感じさせ、数多の茶人がこの手水で身を清めたことであろうか・・・・・
そして蹲(つくばい)の左側11時の方向には植込み式八角燈籠を配す。それほど古いものではないが格好がよく、安定感のある力強いものだ。まだ植え込んだばかりなので回りが少し寂しいが、これから植栽を考えねばならず、これも結構楽しいものだ。

さてと、三度目の正直、ということで洞庭秋月亭における拙僧亭主の茶事の続きをば。
客人五名に手紙をしたためたあとの、その招待承知の返事も人様々だ。長文の数寄者もいれば、簡潔に数行で済ます方もいる。しかし、いずれも茶事を通した一期一会をじっくりと、そして静かに体験したいということは行間からしみじみと伝わってくるから文章といふものは一体なんなのだろうか、少なくとも喜怒哀楽に関する意思の伝達方法に長短、美辞麗句は関係ないということになるわけだ。
それはさておき。いよいよ当日、例によって、蔵寂屋美術の専務取締役、苔寺山水氏はいつもながら難しそうな顔してベンツ乗り付け、マフラー巻きながら拙僧が事前に預けておいた道具を的確に社員に指示し、次から次へと洞庭秋月亭に運ばれていく。いつもながら無駄がなく皆の動きもキビキビして気持ちがいい。
かたや、懐石料理を一手に担う切れ者助っ人、平泉三尊石氏だ。機転が利き、やることも早く、勿論、料理も美味いこの御仁ッ、タクシーぶっ飛ばして両手に袋をいっぱいもって八時半の開門と同時に神妙な形相で(真面目でクールな猫みたい)飛び石をツツツッ、っと足早に調理室に音もなく消えていく。う〜んこれまた無駄も隙もない歩き方だ。
拙僧も含めて皆、この日の為に切磋琢磨してきたのだ。水屋に勢揃いすると、拙僧が一言「おはようございます、ご苦労さまであります。客の席入りは10時半、いつものとおり宜しく御願いいたします」っと簡単に挨拶。
そして、各々、忍者の如くサッっと散って、所定の作業に移っていく。茶庭を掃くもの、水屋の整理と炭を起こす者、懐石道具、そして点前道具いちいち確認し乍ら箱から取り出していくもの、室内の三畳台目、寄付きの八畳に雑巾を掛けるもの、という具合、それらの動きを苔寺専務は睨みを利かし、ジッと見守っている。
調理場でも三尊石氏がご自宅で用意された昆布〆だの煮物だの強肴を取出し、準備に奔走。拙僧は、というと次々と箱から出現する道具を確認し、「う〜んいいものだな」なぞと嘯いている暇はなく、専務と最終的な道具の組合せの打合せだ。
時は刻々と迫り、この洞庭秋月亭に緊張が増しているだろうことをひしひしと感じ取ることができる。
席入り30分前になると拙僧は着物に着替え、袴を付け、水屋控え室にてしばし端坐していると、刻限より早く一人、二人と寄付きに入室してくる。始まったな、っと、拙僧の場合は緊張ではなく、いつもだが安堵感が全身を暖め、自身を含めた人間、茶室、道具等のあらゆる物体と空気が一体化していくのだ。
さて、寄付きの物音と話し声からして、どうやら正客以下全員揃ったようだ。袴を付けた苔寺専務は寄付きに入り、あれやこれやと客人の世話をしているのを聞き乍ら、拙僧は炭手前道具、そのあとの始まる懐石料理の進捗状況と盛付け方にボソボソとアドバイスをしているうちに客人は寄付きを出て待合席へと移動したようだ。
よしッ、と、いよいよ茶事の始まりだな。三畳台目に一人座り込み、炉中の炭火と釜、床に掛けたる円覚寺22世東邦和尚の墨痕豊かな墨蹟をゆっくりと確認し、しばし黙考。
そしてにじり口からゆるりと、しかし厳かに一歩々と苔生した2連の飛び石を踏みしめ乍ら迎付けに向かったのであった。
つづく

いかがでしたか、茶の湯と数寄者の世界は。今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。



石山政義 法務・行政事務所

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