碧雲山房は雲襄亭主 石山政義の時空遊泳 茶の湯と鎌倉の四季7

鎌倉碧雲山房は雲襄庵主 石山政義の数寄者ものがたりにキラリ7

於拙宅鎌倉碧雲山房 午前8時、当山中腹から見遣る鎌倉街並み わずかな朝霞が朝日とからみあい、辺りが薄紫に染められていく・・・・・春の予感・・・・・ 
すっかり春めいてしまって、ここ、鎌倉はもう雪は降らないだろうな、などと想いながら碧雲山房山内をのんびりと散策しているとそれを証明するかのように目にはいってくる鳥獣草木にその予兆が感ぜられ、またあらたなる生が今年もはじまる。自然のなかでは当然の摂理ではあるが、生身の人間からすれば、この季節の確実なるうつろいを受容できることはありがたい。
さてと、本日こそ、当職の仕事のブログをアップしようと決心したのですが実は昨先日、京都から居合いの先生が直々に、われわれ若輩三人、すなわち、鎌倉はヤジロベイ氏、藤沢はイマイクゾウ氏、そして拙僧に稽古をつけてくださるということで御夫妻にて鎌倉くんだりまで来訪されるといふことになり、一週間前から大わらわ、道場の用意だの、ついでに京都ならぬ鎌倉の茶の湯の精神を御伝えするべし、したがって茶事形式にて歓待するだのと、それには君が石山氏の碧雲山房が調度いいではないか、ってなことで、拙僧に押し付けて他の同士はそこのところは何処吹く風で、まったくもって拙僧に一任という具合。
そう、道場は碧水舎、茶室は山頂にある雲襄亭、と拙僧が住まう碧雲山房をフル回転するには今後のことを考えれば千歳一隅のチャンスといえばそうなのだが・・・にしても乗せられたかあ・・・・・・
ということで、当日、執り行なわれることにあいなった山内派英信流居合の研修と碧雲山房内は雲襄亭にての茶の湯と茶事について、つらつらと語ってみたいと存じます。
まずは、鎌倉碧水舎道場の床掃除からだ、といっても僅か20坪、畳でいえば40畳の正方形の床に全面に杉板を張ってあるので、モップと乾拭きでハアハアしながら走ること2往復、周りのガラス拭き、入り口の掃除、と余念がない。そして道場周りの落ち葉拾い、これがまた大変なのだ。

於当山鎌倉碧雲山房 碧水舎道場内北側真中に活けられた「とさみずき」と「こてまり」 その横に立て掛けられた道場看板「山内派 鎌倉碧水舎」 正目の檜に揮毫された染筆蹟は、格も高く墨痕も鮮やかで豊饒このうえない
ここの道場は、鉄筋正四方、天井は高く吹き抜けでピラミッド型に四方を全て木で組んである為か、音楽を流すと音響効果も手伝って頗る音がいい。したがって居合稽古をしていても、その動き、刀の刃音の瞬間等の全ての音が反響し、その残響によって、自身の時々のレベルが判るから師匠と敵がいるようなもので、一人稽古でありながらそうでないところが恐ろしい。
でと、あとは正面北側に室町時代の経机、その上に鎌倉四耳壺を置き合せ、活ける花は当日考えよう、ということで、道場はこれでよし、次は山頂の雲襄亭への道程整備だ。
雲襄亭に行き着くには山路に丸太で組んでる南側路と鎌倉石段で組んでる東側路とがあり、今回は御夫妻のことを考え東側路を・・・・
苔生した石段が150段、拙僧が無精も重なって落ち葉が深く浅く積もっているのを箒だの熊手で掃くのだが、掛かること40分。腰が痛くなってきたものの休んではいられず、山頂に上がったところで、今度は待合から雲襄亭までの述べ段、約40メートルの掃除だ。真行草に組んでる、この延べ段、よく吟味するとバランスがいまいち、って、これは私見なのだが、自然のなかで、しかも標高のある環境のもとでの作為(人口的)に基づく造作等の表現物は、その作為が強いほど周りと乖離してしまう。したがって同化させんとせば敵、すなわち環境とその行く末の変化を知り、己、すなわち技術、理論を知り尽くし、その結果において没個性にならざるをえないのではないか、と考えると、誠にもって作庭といふものは難しい。
それはさておき、早速、雲襄亭を全開すれば眼下にはぼんやりとした鎌倉の街並みと北東に拡がる春霞がかった山々が茫としてやわらかいぞ、う〜ん、ここは一休み、などと気を移している暇はなく、畳の掃除に水屋の整頓に蹲の清め、という具合に誠に慌しく、ときはまたたく間に過ぎていく。
そして、今度は南側山路を降りながら落ち葉を掃いていきながら植木バサミで邪魔になる枝葉をつめていくこと20分、やっとこ、簡便山路整備が完了したものだ。
しかし終了はしないのだ。今度は当日の懐石のうち向付の刺身ついての打合せのために鎌倉西口近くの路地を入ったところの拙僧が通う小料理屋「まき」に伺がわなければならない。が、ここからは、もう気分一新、というところであれやこれやと主人交えて酒を呑みながらの打合わせに出してくれる小付けはなにかなとか舌なめずりしながらいそいそと出向いていった拙僧なのであった。
つづく

石山政義 法務・行政事務所

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