さて、蝋梅は散ったし梅も萎んで正月気分も終ったところで恒例の某古美術商の茶事のはなしをひとつ
この老舗、釜を掛けてからもう50年は経つのではないか
そう考えると大変なエネルギーときたもんだが、なによりも道具の組合せにはドエラいものがある
いくら「さび屋」とはいえ、また江戸時代後期から続いているからといって毎年違った、それなりの道具が出るのだ
そりゃア〜、そんじょそこらの店では到底適わないこと
と、いつもながら感心する次第
で、当日の道具の組み立ては以下のとおり
客組 某御寺狸ノ御住職、地方の我が道数寄者、東京の生真面目数寄者、神奈川の福々女流数寄者、都内の御高い女流数寄者母に陰険子息、そして拙僧の合計7名という構成
寄付 鳥に降雪之図 応挙筆 流石に応挙、少し空間あき過ぎだが・・・まあ及第点
待合 大津絵 添え歌がよろしい なんだったけかな・・・
本席
床 公家懐紙 筆致に筆者独特の大胆さがないがしっかりしたもの 表具がたまらなくいい
花入 古銅 双耳 珍しい
花 寒椿
香合 鳥形合子 京都かな(在印にみえたが・・・・高台拝見出来ず)
釜 霰紋芦屋 霰地紋も整然とした、また環付きもがっちりしているねエ
茶入 古瀬戸 真如堂か ナダレに緊張感があるゾ・・・・底を観たかった、もしや板起し
茶杓 権十郎 共筒 遠州とは違い、華やかだが、他の道具組合せにはちょっと弱いか、性格が出ている
茶碗 ととや 粋でいいモン、高台裾周りから胴目掛けて箆削りが効いてるが高台内にもう一工夫あれば最高
茶 老松 香り身もよく、美味しい
薄茶
床 天祐讃・松花堂画 画は牧渓バリ、相変わらず上手い 讃は彼にしては粘りが弱い
花入 青磁 七官としては青磁色もよく上手
花 水仙・亭主の活け方が上手いゾ、パチパチ、拍手ウ〜!
釜 大西家 型どおり
棗 金蒔絵 江戸初期あるかな 小気味いい
茶杓 如心斎 派手さはないが形が出来つつある時期のモノ
茶碗 楽 江戸中期 赤平だが見込み深く在印が嬉しい
同 織部 キッチリとしたもん
同 萩 エンゴベイが効き、雨漏りもまずまず
以上