数寄者石山政義の時空遊泳その89 平成26年初抜き居合と茶の湯 その2

にしても居合と茶の湯、催すたびにいつも考える なにをって、そのこころとかたちの共通点の存在、がだ・・・・・
探れば探るほどに太く細く結びついてくるのだが果たして万人が認めるか、となるとまずは理論武装しないといけないがこれについては語る側もされる側も体験しなければいけないかも
まあ、これについては追々紐解いていきたいとおもいます
は、兎も角、いきなりこの写真のお出ましです(真ん中でマフラ〜して小さくなってるのが拙僧)
先の1月4日に執り行なわれた当碧雲山房は雲襄亭における居合初抜き後の粗茶一服のワンショット、ってゆーかア〜、御覧のとおり、ほぼ呑み会と合い果てました
観てくださいヨ、四畳半の茶室はもうおせち料理だのフレンチ料理だのでゴッタがえしています
勿論、酒もですヨ、「銀盤」「八海山」をはじめ、本日の各客人がこれでもかアー、ってくらいに手土産に御持参して下さったのは有りがたいことだったのですがア・・・・・・・
その、なんつーか、酒と肴のバランスをだ〜れも考えもせずに遂に肴を食べつくしてしまったのでありまス
それでも水屋方が湯豆腐を作って各人にお碗を配ったものでしたがもはや焼け石に水
このままいっちまうと手餅無沙汰どころかあとの粗茶へと続く昨年から計画していた本日の行事の全てが泡となる可能性があります
しかし拙僧、決して負げませン、この日一番の危機をまえにして暫し考えました
ヨシ、まずはこの場の雰囲気を断つ必要がある、それには酒の打ち止めが一番だ
ってことで機先を制した拙僧「肴も耐えて頃もヨシ、ひとつ皆様には庭先で休憩していただいたですネ、待合いで座るも向うのテッペンにある観音坐像を拝謁して賽銭入れるもよし、はたまた茶室横にある鐘をガンガン鳴らすも御数寄なよーにど〜ぞ」っと体よく茶室から追い払ったものだった
幸い一人がそれはイイとか云ったもンだからワイワイやりながら一斉に客人連が出ていった
外では鐘を撞く響きだの山頂からの鎌倉の街並みを観覧しては誰かがあれが鶴岡八幡、白いのが本覚寺、向うの青いのが鎌倉海岸なんだゾ〜とか(本当は違うンだよなア)云い合いながら適当に徘徊してる合間にこちらは、ってもう大変
僅か数分の間に全部片付けて大急ぎで茶の湯の準備でゲス
こんなことは水屋に助っ人がいないことには絶対出来る仕業ではありません、ハイ!
勿論、本日の為に毎年御願いしているアタマテカテカの御仁が陣取っておりまして、ア?ウン!?の呼吸でそれぞれの役柄を素早くこなしていったのであります
さて、釜の準備、炉の火加減よろしく準備万端、9人の皆様の再度のお出ましです
(ノンコウ筒茶碗にて薄茶を点ずる拙僧  於雲襄亭)

では平成26年1月4日における茶の湯道具組合せは以下のとおり
床   「踏花帰来馬蹄香」松村呉春筆
花入  古銅
 花  蝋梅に寒椿
釜   古天命
水差  備前一重口
棗   梅紋平大棗
茶杓  銘「鬼頭」大徳寺浙江和尚作 共筒
主茶碗 ノンコウ赤 筒茶碗
 副  黄伊羅保
 同  古唐津
 同  人形手   
以上
因みに一行を揮毫した松村呉春は江戸後期の京都円山四条派の一翼を担う画家であります(もう一翼は円山応挙)が筆致を観て分かるとおり彼は煎茶にも俳句にも造詣が深く、真に粋人であったと聞いております
この方の軸をもう1本蔵しておりますがこれがまた洒落た自画讃(自らの画とそれに讃を書き込むこと)でしてネ
いつかこの場に登場することがあるやもしれません