鎌倉碧雲山房は雲襄亭主 石山政義による数寄者の時空遊泳38

茶室の隠れた脇役、炉壇 「小豆石」(あずきいし)と「来待石」(らいちいし)について
事務所URL http://www.ishiyama-office.com
居合 鎌倉市は鎌倉碧水舎道場にて塾生養成中(http://ishiyama-office.com/iai.html

於 鎌倉碧雲山房 ちょっと一杯、右はいつもの高麗青磁陰刻瓶 対する酒杯は李朝初期の三島平杯
三島平杯は約、11cm、酒杯としてはやや大きめなのだが、高麗青磁の名残りを物語るように、口辺下部に青磁釉が完璧に融け切らず、ほんのりと溜まってるところがたまらない。また、なんといっても肌が美しく且つ、伝世の味わいも手伝って、酌めば酌むほどに美しくなっていく

本日はと、本職がブログをちょこっとサボって、ほんの少し時空遊泳してみることに。
ではいきましょうかねえ。
つい先日、当碧雲山房上の雲襄亭茶室は四畳半の、茶室でいうと本勝手、下座床、ってことになるのだが、ここの炉壇を石炉に入れ替える工事を行なったのだった。
かって、正式な炉壇である塗炉を、鎌倉市内のある数寄屋建築の取り壊しに出くわし、建築屋さんに無理矢理頼み込んで、拙僧宅まで三人がかりで運んで貰い、山頂の雲襄亭に持ち込んでいく算段をしていた。
ところが、東京の旧知のある古美術商が、そう、この御人がまた、目利きではあるのだが一度喋らしたらこちらが梯子を思いっきり引かないことには何処までいっても止まらないという、美術界ではちょっとばかり有名な通称「囃屋魚得水亭」(はやしやぎょうずいてい)。
で、この氏が来庵した折に、その細かな打合せをした結果、雲襄亭の炉回りのかなりの修正を要すということで中止したという経緯があるのだ。
さて、朝8時から東京の数寄屋建築を手掛けている新進気鋭の職人3人、といっても大将に見習い2人という構成だが皆、若く、うち一人は身体のガチリとした女性。
この女性が以外に頼もしかったなア〜、ウンウン、建築士を目指してるとかで、かたや、もう一人の見習いは、とくればやたらと痩せていて、頼りなさが滲み出てるのだが目の輝きとその動きに粘り気がありそうで、男女の違いは別にして、この両対象は結構なコンビネーションを醸し出しているようで面白い。
ところで、茶の湯の世界では、通常は茶室のなか、大広間を手始めに四畳半、三畳、たとえ一畳台目であっても畳を、それぞれに四畳半切、台目切、向切、隅切、ってな具合に切ってく。
これを炉を切るといい、5月から10月までの畳上、点前座に置き合せて使用する風炉と釜に対し、11月から翌年4月までは上述のように切った炉中に炉壇を嵌め込み釜を置き合せて茶を喫する。
この炉壇の種類は、正式には聚楽土を使った塗り炉、そして石炉、陶器炉、そして近代ではもっとも普及してる銅板炉となるが、やはり風情があるのは塗り炉の炉壇、とういことかな。
しかしこの塗炉ってやつは使用するほどに痛むし、二年に一回は塗り直さねばならず恐ろしく大変だ。したがって、管理不出来で横着な拙僧には合わない。

於 碧雲山房 三畳台目に布陣する小豆石の炉壇 庵が暗いので観づらいものの、イメージはできるとおもう。すなわち、紫色、粒上の小豆当等々。しかし、この小豆石炉壇をここに布陣させるのにはそれは々苦労したものだ。でも、美味そうな色とかたちでしょ、へへ
ところで、昨今は石炉としては最高級に値する小豆石は天然記念物とかで、産出不可、したがって既存のどこかの茶室を取壊したときにしか、もはや出てこないのだが、これがまた、石屋から道具屋、数寄者、茶人を含め、虎視眈々と狙っているから怖ろしい。
よって、此度は出雲の来待石を使うことに。
島根産のこの石、江戸時代松江藩内御止め石(藩以外への持ち出し禁止)で廃藩置県で漸く自由に販売できるようになったというシロモノ。
色は灰色に近く粒子は細かさに加えて柔らかいので加工しやすいのだろう、燈籠等にも使われているとうことだ。
しかし、昔から、石炉壇の王様といわれている小豆石は密度が高く、ねっとりしており、重厚感がある。やはり、使っていて差がでてくるのは仕方がないところ、ってのは、小豆石炉は、底を含めると140キロに対し、来待石の石炉は底を含めても90キロってことでもその密度の程度が頷ける。
その結果、熱が逃げなく、道具がぶつかっても互いに傷まない、それになんといっても小豆色、そう、全体の薄紫色にやや濃い色をした小豆大の粒子が無数混入し、これが上品で、得もいわれない景色を醸し出すのだ。
もうひとつ、あの、総じてゴッツリとした茶釜の形もさることながら伝世からくるところの独特の鉄味が、この小豆石にピタリと同化するのだ。これがまた草庵茶室、特に三畳台目あたりなんかに構えたぶんにはたまらないのだ。
とはいうものの現実はそうはいかなく、鎌倉の四季の移ろいとともに、これから使用することになる来待石の石炉のことに想いを馳せるべし。
そう、これから200段近い石段を拙僧と数寄細工人三人と共に夕方までかかるであろう石運びと据付。無事完了した暁には、石名の如く松風を微かに響かせながら、くるあてもない来客を待つことにしましょうかねエ。
そして、あの数寄者が来たらこの道具、かの老獪が尋ねきた折にはこの軸で勝負だ、とか創造したがら拙僧が想いはいよいよ時空遊泳していくのであった。

於 碧雲山房 雲襄亭に新たに陣取った来待石の炉壇 三畳台目の小豆石と比較すると肌と色合い、複雑な景色、そして全体に与える雰囲気は如何ともしがたい。が使用するほどに味がでてくるので育てがいがあるってもんだ、とはいってもお披露目は炉開きの11月ってところかな。
いかがでしたか、茶の湯、居合と数寄者の世界は。今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。


石山政義 法務・行政事務所

所長 石山政義 

Te l03-3317-3388  fax 03-3317-1419

Emil: ima@oak.dti.ne.jp

URL http://www.ishiyama-office.com

人材募集行政書士補助者http://www.ishiyama-office.com

居合 当山鎌倉碧水舎道場(石山碧雲館長)にて舎生募集(http://ishiyama-office.com)

日本認証サービス(http://www.jcsinc.co.jp/

公証人さん(http://www.koshonin.gr.jp/

法務省ホームページ(http://shinsei.moj.go.jp/

山水河原者(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%AD%E5%B8%AB

茶室(http://www13.ocn.ne.jp/~chakou/sub1.html

茶の湯 遠州流http://www.enshuryu.com/enshuryu.htm

茶の湯 裏千家http://www.urasenke.or.jp/index2.html

茶の湯 表千家http://www.omotesenke.jp/

根津美術館http://www.nezu-muse.or.jp/

鎌倉円覚寺http://www.engakuji.or.jp/index.shtml

笠間日動美術館http://www.nichido-garo.co.jp/museum/exhibition_archive_0705.html

京都武徳殿(http://raku.city.kyoto.jp/m/sports/sisetu0035.html

京都観光文化情報協会(http://kaiwai.city.kyoto.jp/raku/sight.php

詩仙堂http://www.kyoto-shisendo.com//

鎌倉鶴岡八幡宮http://www.hachimangu.or.jp

鳩サブレの鎌倉豊島屋(http://www.hato.co.jp/index.html