行政書士 石山政義こと碧雲山人の時空遊泳

俗塵を払って(3)

拙宅玄関 左より鎌倉四耳壺 藤原仏
数寄ものがたりにキラリ(2)
本日は、尊崇する某大尽より茶会の御招待をうけたので、その茶会における御亭主の道具の取合わせ、あわせて全体の雰囲気を感じたままに述べてみたいと存じます。
大兄とはお互いの茶事に招き招かれてる関係でありますが、昨今は実力を付けられ今回の茶会で名実とも関東では雲上の方になっちゃったの感、至極であります。拙僧においては兄のつめの垢でも煎じさせていただきたきたいものだとしきり。
さて、当日は拙僧も時間がなく、失礼して水屋から入室、結構、これって楽しいんだなア、なぜって正式に正面から入室だとピンと張っちゃって、隙がないでしょ。その点、裏口入室はナマの舞台裏が拝見出来てね、御亭主と水屋方との問答のやりとりとか、その動きに主と水屋方の力量が見えてきて、自分も亭主の視点に立つ事ができてサ、正面からでは絶対に味わえない臨場感っていうものがリアルにくるわけですヨ。読者も、一回やってみたらいいですヨ、ただ、余程ご懇意でないと・・・。
当日の取り合わせをサラリと言及してみましょうか、(でも具体的な道具の名称は御勘弁下さい)寄付には桃山時代の垂らし込みを駆使した著名な画家の扇面画が古色蒼然としていながら胡粉も鮮やか。特に緑と赤の使い方が上手い、源氏の武将騎馬上図か。
本席四畳半の台目畳の床には御亭主の常々、「墨蹟一番」ってのを見事に具現した感ありの、宗末元初の墨痕は細字ながら品位ある枯れた横幅で送別の偈、数寄ものなら一点は持たないといけないシロモノ。一文字は白地印金、中回しは金襴に天地は北絹。軸装もバランスよく、ウーン!と拙僧も、しばし黙して語らず。っと、いつのまにか横で御亭主のニヤリ・・・。
墨蹟、とくれば矢筈板に古銅の花入れ、紀州家だったかの伝来。姿の良い楊貴妃の透き通るような首を想わせるホソリとした古銅に白椿も可憐だなア。香合は古染付、中国伝説の人物を染付けで現した伝世独特の透明上釉がネットリしているというか、拝見しているほうも溶けてしまいそうだ。
御手前道具にいこう、釜は古天明で共蓋、全体分厚く、所謂、「もののふ」が着用する甲冑を想い抱かせる。墨蹟との取合せにはもってこい。水差しは遠州窯のひとつで遠州が「きれいさび」を唱えた初期の頃かと考えられ、釉薬も渋く、次ぎにくる茶入、茶碗を引き立たせる役目としても効果があり、亭主のセンスがキラリ。茶入は名物の古瀬戸、独特の釉薬が濃く薄く群雲の如く、底の土見せと裾周りはトロリとしてこれまた伝世の成せるワザってところだ。茶杓小堀遠州の名杓、景色も美しく、かいさきも丁寧。
圧巻の濃茶茶碗は道具取合せからすれば数寄ものの最高峰である、びわ色に映える井戸茶碗、これしかない。大振りで見込みも深く、やわらかでおだやかな春を伺わせるひっそりした茶碗であった。此度の名品の数々が放つ光をすべて包み込んでくれる、包容力豊かで、まさに圧巻。江戸時代代々続く富豪御大尽伝来というのも大いに頷けたなあ。
と、つらつら私情を払いのけ乍ら、述べてきましたが、にしても、翁は、良い茶会をされたと感心。拙僧も頑張らないといけないがなんせ貧乏数寄ものだから、とは言うまいて。実は、着々と準備しているのです。っと、一人で期待と不安に駆られながら水屋をあとにしたのであった。請う、御期待!

如何でしたか、全く違う世界ではありますが、数寄もの、茶の世界は日本の歴史と美術を生きることでもあります。今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。
石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
Te l03-3317-3388 fax 03-3317-1419
Emil: ima@oak.dti.ne.jp
URL http://www.ishiyama-office.com

日本認証サービス(http://www.jcsinc.co.jp/
公証人さん(http://www.koshonin.gr.jp/
法務省ホームページ(http://shinsei.moj.go.jp/
山水河原者(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%AD%E5%B8%AB
茶室(http://www13.ocn.ne.jp/~chakou/sub1.html
笠間日動美術館http://www.nichido-garo.co.jp/museum/exhibition_archive_0705.html
東京国立博物館http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E5%A2%A8%E8%B9%9F%E3%81%A8%E3%81%AF&ei=UTF-8&fr=top_ga1&x=wrt
小堀遠州http://www.enshuryu.com/enshu.htm