行政書士 石山政義こと碧雲山人の時空遊泳

俗塵を払って(4)

数寄ものがたりにキラリ(3)
本日は、某茶会に招かれたばかりのほやほやですから、臨場感あるし、忘れないうちに日記しておきましょうかね。
桜も本日が最後かな、雨風といふ無情は、明日もないようだから、あと一日だけ愛でさせてもらいましょう。でも、散れば散ったでもって、これまた散り桜観賞ってなもんで一段と風情があるから、ヨシ、もう一回、呑みなおそー、ってのは日本人独自の情と理屈だな。
さて、東京は、某庭園。拙僧の友人っていうか、非常に茶熱心で、奥さんもさることながら御主人も、それに輪を掛けて御好きな御両人、いいですねエ、自らの茶の湯を実践、維持し、さらに進化させることができるっていうのは、真に環境が許さないと出来ない代物ですから、羨ましい?限りではあります、乾杯。
前置きはそれくらいにして、拙僧も、結構、忙しいンで、仕事が詰まっている、今日も、目印の重たいカバンを持ち乍ら午前10時40分に茶会受付場で記帳。御祝儀袋を買ったはいいが表は真っ白なんで恥ずかしくもなく、記帳用の筆を御借りして相変わらず拙い字で「御祝、石山政義」と。ウーン、やっぱり拙いな、いつもながら納得。
庭園は広く、目的のI庵の水屋に行くのに、なぜか園を一周してしまい、もう懐石点心食べたいな、と思いきや、ありました。馴染みの方々の御歴々、気を張って、みんな、いい顔しているねエ。間違いのない水屋だと、改めて関心しきり。
例によって裏口入門の醍醐味ってやつで、ちょっと失礼。早速、御亭主との挨拶もそこそこ、出された美味しい饅頭を一気にパックリ、薄く濃く、独特の黄釉がたまらない黄伊羅保茶碗で一服に眼福。確かな道具と点て方に敬意を表し、亭主に誘われるままに、ゾクゾクそっと本席に、っと、期待通り、三畳向切茶室の床には上代かな。平安独特のキリキリした筆使いと筆継ぎの間合いで春を詠った、本日に相応しい一幅。表具もキラキラはなくサラリとして、かえって本紙が活きる。受ける漆黒の羽田四方盆を従えた古銅の鶴首花入、地金が微妙に変化、底光も確認でき、金味が命の古銅、質素で存在感があり、威張らず、とても優しい。
釜は、古芦屋釜で共蓋、胴の霰紋が整然としてリズムがあり、美しい。先の古銅同様、命の金味も芦屋らしく茶褐色にて古天明とは違いデザインを意識したデリケートさを感じるのは拙僧だけではあるまいて。
炉縁は初代久以、木地作品が時代を経ることにより、これ程までに重さを増すかという典型。
水指は南蛮、小じんまりしていながら特長を余すところなく網羅しており、格が高く、これがあれば濃茶の取り合わせに苦労することはないな、ってもの。欲しいなアー。
もう一つ褒めちゃうと、この南蛮紐簾水指はネ、形と大きさのスマートさもさることながら、なんといっても色合いの絶妙さサ。他のそれの単純な黒茶色でなく、深い濃緑(モスグリーンっていうのかな)だってこと。この色の違いによって水指の良し悪しに雲泥の差が出るんで、そういう点ではこの水差しは王道を行くものってこと。ついでに威力を発揮する場所はなんといっても三畳以下の台目又は向切か隅切、これは絶対!
では、その水指の前に取り合う茶入、瀬戸後窯の肩はカッチリしてるが全体を観ると優しくなだれも美しい、底の糸切りも鮮やな佳品。で、ひのき舞台に唯一つ輝く濃茶茶碗、その栄誉に相応しく、柔らかいもぐさ土に純白の釉薬に窯内で火が回った結果の、ほのかな、あか色もあざやかな桃山志野茶碗、そうです、桃山志野茶碗の見込みと底取りも広い初期の特徴を表わす作品で御亭主の御人柄、っとくればこの茶碗が答え。
魯山人荒川豊蔵加藤唐九郎も、求めて止まなかった逸品さネ。想像してみてください、先の濃緑の南蛮水差しにこの茶碗の取合せを。薄暗い三畳向切に・・・。幻想的ですらあるけどネ。茶の湯ってサ、人間の六感、全てを使わないとつまらなとおもう。少なくとも拙僧は、そう確信しているのさ。
最後にオーケストラでは指揮者のタクトってところの茶の湯茶杓は、戦国時代の激しい織豊時代を生き、茶の湯を通して自らの道を求めた某大名のもの。景色を中心にした小堀遠州美杓とは違い彼独自の思想を表現した含蓄に富んだ茶杓。特徴ある書体で和歌による歌名を筒に記し、これまた時期に相応しい内容だったな。
っとまあ、急いで観させてもらったわりには、しっかりと、よく観察してたでしょ?水屋を後にして、腹減ったから食事をしにいったら、これまた混んでるんだ、10分程待って席についてありついた松花堂風弁当、結構料理内容もよく、筍、蕗の薹、菜の花等と、春の食材を中心に、ここでも春を堪能させていただき、関東では懐石料理屋五本指ってのも頷けた。で、一時間ちょっと、という目まぐるしい時間を過ごし、いい気分で庭園をあとにしたのである。あー、忙しかったア。
いかがでしたか、今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。
石山政義 法務・行政事務所
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魯山人http://www.nichido-garo.co.jp/shunpu/
加藤唐九郎http://katotokuro.com
荒川豊蔵http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/tenranan/arakawa/