行政書士 石山政義こと鎌倉碧雲山人の時空遊泳

俗塵を払って(5)

左から鎌倉四耳壺、高麗青磁徳利、シャチハタ印鑑、藤原佛
北大路魯山人の凄さ(その2)
稀代の北大路魯山人について引き続き、思うがままに語ってみたいと存じます。
春もたけなわ、またぞろ魯山人に関する企画、展示が筍の如く展開されてきましたね、いいことです。特に茨城は笠間にある茨城県陶芸美術館笠間日動美術館の分館である春風萬里荘にて新たに展開される展示はなかなか中身も濃い。茨城県陶芸美術館においては、魯山人が京都の窯場を尋ねて以来、切っても切れない関係にあった高度の技術とセンスの持ち主、荒川豊蔵の特集を、対する春風萬里荘では豊蔵に三顧の礼で星岡窯に迎え乍らも、やがて三下り半を突き付けけられたが、やきものの本質と美を即座に見抜き、豊蔵をも龍の如く飲み込み、強烈な巨人に成長した魯山人を、この4月から両館で展示されるから非常に興味深い。
袂を分った鬼才二人を取り上げ、茨城県陶芸美術館の豊蔵と春風萬里荘魯山人に天地の閃光が走る光景を幻想とうつつ世のうちに交差させることができるのは想像に難しくない。
徹底的な調査と研究を基本に、検証し乍ら、自らの世界をつくりあげた、「やきものの鬼」、豊蔵。対して、書、篆刻、絵画そしてやきもの、と、行くとして可ならざるなし、常に独立独歩、唯我独尊を自他ともに認め、強烈な個性と確固たる美を追求した人間、「創造と審美眼の天才」魯山人
もはや伝説的になりつつある、この二人の融合と乖離は魯山人と豊蔵の作品に、陰に陽に投影され、桃山時代に完成された陶磁器の用と美の伝承と本質を守るということと、それを越えようとする新たなる挑戦とは一体何なのかを我々に問いかけながら、両者の作品は火花を散らし、永久に放電し続けていることを知るには格好な展示。
豊蔵の作品、特に志野茶碗は柔らかくて、温かく、仄かな赤みは妖艶ですらある。桃山陶を彷彿とさせると感受するのは拙僧だけではないでしょう。
対する、魯山人は徹底した用と美を追求し、自由自在性、意匠性を中心に、やきものの持つ本質を捉え乍ら、巧妙にしかし大胆に、土のいじりは柔剛、釉薬は、濃淡の効果と窯内での釉変による変化を予測した釉掛法を駆使し、桃山陶の志野、美濃、黄瀬戸等を復活とか形式でなく、水を得た魚の如く、如何に現代に「活かす」かを、真っ正直に捧げた作品群ばかりだ。
にしても、注目すべきは本展示が、トップレベルのやきものの郷、笠間で開催されることだ。益子で大活躍した濱田庄司をはじめ、数々の陶芸家を育くみ、常にやきものの世界をリードしている、この茨城県、栃木県のやきものの里で開催されることの意義は大きく誠に相応しい。

石山政義 法務・行政事務所
所長 石山政義 
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関連URL
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笠間日動美術館http://www.nichido-garo.co.jp/museum/
茨城県陶芸美術館(http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/
北大路魯山人http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/tenranan/taro/index.html
濱田庄司http://www.mingeikan.or.jp/html/hamada-shouji.html
荒川豊蔵http://www.nihon-kogeikai.com/KOKUHO/ARAKAWA-TOYOZO/ARAKAWA-TOYOZO.html