行政書士 石山政義こと碧雲山人の時空遊泳

俗塵を払って(13)
山登りは辛くも愉し、にキラリ(6)
 恐怖の山シリーズ第7弾
前回は南八ヶ岳山行での単独行で体験した遭難を記しましたが、今回は季節は八月と同じですが、場所は、後立山連峰の縦走路の後半コースでの怖い体験を御話ししましょうかネ。
当時はご他聞に洩れず北アルプス、特に穂高連峰全山を中心に著名でアプローチの良い山はほとんどやっつけて、これからはちょっと地味なコースを、と考え、八方尾根から唐松、五竜鹿島槍、爺、鉢岳を詰めて雪渓を下って扇沢を終点とする、3泊4日での御話を。では、いきましょう。

五竜岳から遠望する立山連山の主峰、剣岳。手前左に緩やかに流れる雲と剣岳の後方から湧き上がる黒灰色の雲がどことなく怪しい。が、名峰のなんたるかを知る為の自然の演出効果としては抜群

今週のお盆どーしようかなあと休みに入る直前の金曜日、せっせか書類書いて、あー、疲れたし、だんだんヤル気なくなってくるし、早く山いきたいヨー、決めて思い立っが吉日、ってことで、三日分の昼めしと行動食等をスーパーで買って、要領よくパッキングして、さっさと23時55分発最終(通称ニーサンゴーゴー、先般のブログでも載せましたが)に乗ったもんさネ。
翌朝は快晴、リフトで詰めて歩行2時間30分で唐松岳を、五竜岳には2時間というスピードで到着、まずは一泊。にしても、ここのいびきは凄かったなアー、って半端じゃなかったね、横をダンプカーが物凄い勢いで往復通過したみたいで鼓膜が破れそうだったし、そーかとおもえばギリギリゴリゴリって歯軋りのすざましい音、これがまた頭と腹に響くんですよネ。ったく、ド突いたろか、ほんまアーっと、感情的になるくらいな一夜でしたが、めげません。二日目早朝から不味い缶詰サバの味噌漬け食べさせられても決して負けない拙僧であった。
さて、小屋を出ると空はどこまでも碧く縦走には上々、靴ひもを結び、気も引き締めて五竜岳へ向けてゴー。
頂上では剣山が一段と大きく観へ、堂々として気品に満ちているのは何処の山も適うまいて、というのは拙僧の主観かなアー。で、ここからは急な岩場をガサゴソと下って、一気にキレット小屋までやっつけて、ここで小休止。少しガスってきたけど山行には影響なし、ってことで、鹿島槍めがけて八峰キレットをサッサと通過さ。
北峰、南峰を踏んで何回も泊まってる冷池小屋には2時半に到着。そして、ここで再開した山好き女性二人と出くわしたばっかりに本ブログの主題のとおり、怖ろしいことになったのサ。
それはかって合戦尾根から燕岳、大天井、槍ヶ岳をやった時に、たまたま知り合った二人だったわけで、たしか学校の先生の研修生だったかなア、とお互いに再会を祝福し合ってその晩はよく呑んだもんさ。本当に偶然って凄いなあっと、意気投合した翌日は種池小屋を過ぎて鉢ケ岳まで縦走(拙僧は種池小屋から柏原新道経由で下山するつもりだったのだが二人に説かれたア・・)ということで順当に詰めていったところが、赤沢岳に差し掛かったところで、午後2時。時間的には雷を意識しなければならない頃だと雲行きに気を使いだしたが案の定、次第に天候も悪くなりポツポツとくるし、速くも水墨で和紙にゴツゴツ当てて書いたような真っ黒な雲が立山連峰と本縦走路の底からヌルヌルっとでてきたものだ。
ウーン、マズいなアーっと思ったわずか数分後、遠くで雷鳴が響き出し、既に雨が降り出しているために着けている雨具がビリビリといいいだし、直後から身体中の毛がカッと光る度に総毛立ってきたもんだからもうアウトだ、山行どころではない、ってもんで後方を付いてくる二人に「ヤバイ、来るよ!このピークを急いで降りよう、とにかく低いほうへ行こう、ハイマツの・・」っと言いかけたところで、ビカビカッ、カラカラカラッ、ギューン、ビシャッ!ッと、いつもの地獄の叫びが天地を劈いた。キャーッ、うわア〜、っと三人は散り散りばらばらに20メートルほど下ったところで、カリッ、バリバリバリっと、今度は、谷底から上に蒼い閃光が四本に分かれて鋭角に物凄い勢いで昇りあがって、ヒューン、ビーン、と我々の目の前を横切っていったものだ。かっての5月の吹雪いたときのそれとは全く違い、その音と閃光の走りかたが自由でもっと派手だ。こりゃ、逃げられない、やられてもしかたがないっと観念したものだ。
それでも、死にたくない、まだ生きたいしと、未練タラタラ念仏唱えて、さらに50メートルくだったところでハイマツが群生してるのを見つけ、南無三っとばかりに、ザック投げ出し、無駄とはおもいながら金具類を1つどころに素早く仕舞い込み、腰を低くして、ハイマツの中に身を潜めたところで、今度は天からの閃光と地から這い上がってくる閃光が絡み合い、それが三つとも五つとも絡み合って衝突したエネルギーが更なるちからを蓄え、火の塊となり、ガラッ、ヒューン、ヒューン、ババッ、バア―ン!と、真に此の世の終わりかとおもうくらいに空中いっぱいに蒼白い閃光が縦横無尽に走り出したもんだ。なんという世界だア、あまりの恐ろしさに呆然として全く生きた心地がしないとはこの事だ。
潜んで8分程経っただろうか。漸く、閃光が弱まり雷鳴は遠のき辺りから漆黒の雷雲は散り始めたのだ。あー、助かったぞ、拙僧はハイマツから恐る恐る身を乗り出したもんだ。
「お〜い、大丈夫ですかアー、何処ですーっ」と大声で発すると、そこ向うからずぶ濡れになった二人の元気な姿を確認することが出来たのでした。
しかし、それにしてもあの鋭角的に縦横無尽に走り抜ける直線と直角の閃光ラインはとてつもなく美しかったな、怖いもの観たさの何とか、ってやつだな、こりゃ。
う〜ん、これだからやめられないな、そうです、やっぱり山は怖いけど愉しいな。
いかがでしたか、今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。
石山政義 法務・行政事務所
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新田次郎http://www.city.suwa.nagano.jp/Contents/Contents.asp?CONTENTNO=327