鎌倉碧雲山房は雲襄亭主 石山政義の数寄ものがたりにキラリ20

行政書士 石山政義の恐怖の山シリーズ番外編その1

於当山鎌倉碧雲山房 早朝の鎌倉街並み 7月もあと5日を残すだけというのに朝霧が濃い。よくよく観察するに、この霧は右から、即ち海岸から陸へ、そして山へ吸い込まれていき、木々と風とによって太い筋に割られ、山から山へと水平移動してくのがわかる。山林内に在り、濃霧渦中ならではの体験であった。
本日は忘れないうちに昨日体験した不思議で、なんとなく怖い御話をついでに、っといっては失礼ですが恐怖の山シリーズを挟んで臨時にひとついってみたいと存じますねネ。
ではいきますよ。
飯田橋で急な案件を受託し、雨も降ってることとてタクシー捕まえ駅に到着。時計をチラリ、っと6時かア〜、一段落したし、久しぶりに知人と呑もうと思い、電話すると、快諾するも7時半過ぎなら、という回答。
じゃ、時間もあるから、ってなもんで飯田橋キヨスクの小奇麗な姉ちゃんからビールと肴を買い込んでJRホーム椅子に座り込んで早速、グビデュバ、ップハア〜!あ〜、美味しい。
人ごみと人の目なんかには、ぜんぜん無神経な当職、悠然とノートPC開いてメールをチェック。ピチピチパチャバチャやってるうちにアッという間に30分過ぎたゾオ〜、よ〜し頃合だな、ヒヒッ、てことで最後の一滴をも飲み干して、いざ!学芸大学駅へと向かったものだ。
駅を降りると彼は携帯だの時計だの忙しそうに見ながら考え込んでいたんで、横から「オイッなにしてんだ!」っと脅かしたらギクリと目をまん丸にして「いやだなア〜、石山先生ビックリするじゃなですかあ〜、モ〜」っと、本当にビックリした様子。「ハハ、わりイ〜々〜いやいやア、じゃ、いこいうか、で、何処へ?」っと歩き出すと、彼は怨むように「本当に人が悪いンだからなア〜」とブツブツ言っていたが、結構愉しんでるようでもあった。
さて、彼指定の居酒屋「ちょっと高目屋」へなだれ込んで、まずはビールで乾杯、肴に蛸の刺身に野菜の和え物、そして酒に詳しいという真面目で渇いた色気がなんとなく振りまくウエイターを呼んでは一合冷酒を五本空けながら仕事だの酒だの、果てはこれから何年仕事が出来るのかとか将来を憂慮してみたりとか適当に喜哀織り交ぜ愉しんで、いい気分でおひらきとなった。
じゃ、バイバイってことで、当職は東急線横浜駅へ着いてみれば時計は既に11時半を回っており、終電危険水域に。
小田原行が5分後、久里浜行が15分後の11時45分ということで、エ〜イ、面倒だア、大船で乗り換えヨっと、グリーン券とチューハイ買込んで小田原行に乗り込んだのが運の尽きサ。
チューハイ開けてキュ〜っと一杯、二杯っといけば、瞬く間に震度8の眠気が津波の如くバッサ〜っと襲ってきて、アッというまに深い海底に浚われ闇の彼方に吸い込まれていったのだった。
突然、「ガタゴトン」っと鈍い金属音が響き、身体が僅かに揺れ、オッっと、また眠ったかなアと徐に小さな瞼を開けると、あれ、景色が・・・いつもと違う。
何処だここは!と慌てて転がっている靴を履き、車窓からホームをみれば、なんと国府津だア〜、ヒエ〜、戻れなイ〜!カバン抱えて反対ホームに行くと時刻表示は真っ暗け。終わってるウ、あ〜あ!しかし、溜息をついてもはじまらない。
立ち直りの早さでは誰にも引けをとらない当職のこと、キッパリ諦め、ここが国府津なら、こうなりゃア、小田原まで攻めてやるゾっ、てことで、けたたましく鳴る発車間際の電車に、それッ、てなもんで乗り込み小田原終点までいくことに。
にしても、あ〜あ、しばらくは真っ暗な相模湾に点在するゆらゆらの船明かりを見つめながらボオーっとしてると、また眠気が襲ってくる、まずいゾ、うんニャ、まあどうせ終点が小田原サっ、と安心してしまえばこっちのもの、とかなんとかゴタクを並べているうちに身体は斜めに、また々快い眠りに入っていく当職なのであった。
やがて疲れた耳に夢ともうつつとも知れぬ響きが・・・原あ〜、しゅ〜てんでえ〜・・・ウン?着いたかあ〜ア、タクシーかア〜、泊るわけにもいかんし、鎌倉までいったいいくらかかるのだろオ、と重い身体とカバンを引きずりずり改札のアンちゃんに「すいません、鎌倉に帰るのですがタクシは右、左?で」とノラリとした会話をしていると、むこうから甚平服に半ズボン、足には雪駄(セッタ)を履いた坊主頭の中肉中背のウサン臭そうな輩がそっと近づいてくる。
なんだろう、と無防備でいると、彼はニタリと笑い、手もみし乍らこう言ってきた「ヘッヘッ、お兄さん、やっちまいましたネ、ご苦労さんなこって、で、どこかへお泊りで?じゃなくてタクシ〜でお帰りかなア、イッヒ」
なんだこいつ、歳のころ50の半ばでフウテンみたいなオッサン。まあ、これも一興だっ、てことで「えー、ちょっとね、鎌倉にかえるンだけどタクシさんなんですか?あッ、そうですか、へエ〜」っとヤンワリ応えると、彼は右に持ってる傘を置き、寄り添うように間合いをグっと近づけて「ど〜ですか、1万円!ほかは1万5千から8千ですゼ。ヌヒッ!」と。
だいたいが小田原から乗ったことがないから当職としては皆目、見当がつかない、が、なんとなく廉そうだ。しかしこのイソギンチャクみたいにくっついてくるのには辟易だ。
だんだん疲れてきて眠気も出てきた当職は生半可に「で、おたくのタクシは何処ですか、それとなんで安いんですかねエ〜。一般のタクシもあるのなら少し値段聞いてみますヨ」と一応は気があるように引いてみると彼は、不気味に笑って「ワッシはね、昼間、仕事持ってるんでネ、なんで、夜はそんなに貰わなくてもいいんでサ、なに、安心ですヨ、横の座席にはちゃんとワッシの女房が座ってるんでサ」って、なんだア?なんで奥さんが助手席に座ってるんだろうか。なんか妖しげになってきたなあ、こりゃ、君子危うきに近寄らず、ってやつか。
しかし、寄り添われるままに駅の階段を下りていった当職、北口は初めて降りるのだが時間は既に1時を回っておりターミナルにはまばらにタクシが2台だけで人はとうに絶えている。
とりあえず目の前のタクシさんに鎌倉までの値段を聞いてみると1万8千から2万円だとの生返事なのだが、応える目には落ち着きがなく、どことなく慄いている風なのが気になる。
運転手さんと当職とのやりとりを、向うでジッと視ている、というよりはあきらかに監視していることに、この方は気付いているのだ。ふ〜ん、気持ちが悪いなあ、チラっと彼のほうに顔を向けると手招きをしており、車はここですヨと手差しする。
その方向には濃いグレーの乗用車がターミナルの端に横付けされており先程来の雨で濡れているのか、なんとなく印象の薄い車だ。
請われるまま、優柔不断に彼の車へと向かうと彼は再びニタリと冷たく笑うとゆっくりした口調で「どうでしたか、ワッシの言ったとおりだろ、ヒヒッ」そして一気に勝負を決するように「ささっ、早く乗ってくんナ、早く帰りたいんでしょうからねエ、おっと、横に座ってるのがワッシの家内でさ、おい、おい!」っと助手席に座っている女性らしき連れに命令口調で話しかけているのだが返事がない・・・・
車外左後部から助手席をみると髪の長い人間が確かに座っているのだが全然動かない。最初は冷静に言っていた彼はイライラしてもう一度「オイッ、なにやってんでエー、お客さんだぞ、御心配してるんで、ほれ、横のオレの名刺、その名刺を出せ、ってんのがわからねえのか」だって、うわ、怖わあ〜!
それでも、その女性は動かない、死んでるのではないか。当職はすっかり目が覚めて、身体中がゾーっとしてきたものだ。
こりゃ、まったく現世とは想われない世界だぞ、巻き込まれないうちに逃げるが勝ちってことで当職は息巻いているかれに「す、すいません、ちょっと、トイレに行ってきますんで、い、いいですかね、へへ」って言うと、彼はニタリとしているが脅すような目付きで「オウ、すまんですネ、女房がちょっと斜めでネ、大丈夫ですよ、ちゃんと、うちのヤツがいますから。お客さんがトイレから戻ってくるころにはシッカリさせときますんで、なア〜、オイ!!」っと、またしてもその女性に振るのだが黒く長い髪は揺れるでもなく奥からは声一つ発することはない。
そして、もう一度、拙僧を見据え、傘をニギニギして「兄さん、待ってるからね、ほれ、そこの階段を上がってサ、左奥だからナッ」、ときた。う〜ん、狙った獲物は逃さないって感じなナ。
もう一度、助手席の女性をチラッと見遣ると気のせいか肩がピクリと動いたようだ。すると今度は白い右手がヌウ〜っと、何かを欲するようにピクピク蠢いている。ヒャア〜、気持ちわるウ〜、これはもう見ないほうがいい、ってなことで彼との間合いを素早く外し、「では、ちょっと失礼」っと言って脇見も振らず一目散に小田原駅を駆け上がり、反対の南口へ逃げ込み、タクシ捕まえて「一路かまくらえきエ〜っ」と言い放ち小田原を離れていったのであった。
後ろを振り返ると小田原城天守閣が青白い光に僅かに照らされてボーっと浮かび上がっている・・そういえば天守閣に生きる女の怨念化け物のはなしがあったな・・・と、なぜか思い出し、あ〜、ゾクゾク!
道々、運転手さんに聞いてみれば実はこのたびの男、所謂、しろタクシーってやつらしく、結構な被害もあるみたいで、逆にボッタクられる場合もあるとか。ただ、女性が同乗する、ということはない筈だし、そんな情報も現場もみたことがないです、という回答に当職は再び真っ青になった・・・・・・・やっぱり・・・・・
にしても不思議で怖い体験をしたものだ。鎌倉に到着しても、まだ、あの女性の長い毛と白く何かに絡みつきたいような細く病的な手が当職の首に巻きついてくるようで、ビクっとしたものでした。
いやあ、怖いことです、ものの全てにいえることでしょうが、安物のなんとかってのは正にこんな体験をいうのでしょうか、しかも恐怖付きでね・・・・・
みなさんもこんな体験なんぞしないようにくれぐれも気をつけてくださいネ、怖、怖!

いかがでしたか、今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。

では、また。

石山政義 法務・行政事務所

所長 石山政義 

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