数寄者石山政義の時空遊泳その86 平成26年元旦飾り

新年明けましておめでとうございます
御覧のとおりの当碧雲山房における正月雰囲気を御二つばかり・・・・・
山頂は雲襄亭での旭日であります
ちょうどこの位置の麓には大変地味ですが雰囲気抜群の妙本寺があります
この寺を訪れた感受性豊かな方々は感じたかも知れませんがどこか張り詰めたところがあり、それでいて綺麗サッパリ
ともすると禅寺と見紛う程に落ち着いたこの寺、宗派は違えど鎌倉五山寺と比しても決して引けを取らないのではないかと密かに考えております
その一峰裏に今は一般開放してないようですが鎌倉の苔寺として有名な妙法寺があります
で、この妙法寺の鐘楼で一回だけ鐘を撞いたが今にも救世観音が表れるのではないかと思うくらい慈悲に満ちた音色がとても美しかったと記憶している
一体に12月31日大晦日の鎌倉はあちらこちらの寺から除夜の音が響いてくるが妙法寺のそれだけは別ものだった
勿論、当山房でも江戸初期に造られた鐘があり、そこそこな音色が鎌倉中響き渡るがあるがさすがにこれには敵わない
さて、次なるこの写真、拙僧が寝食をする三畳台目の床飾りであります
矢鱈と金ビカリする表装のこの軸、大徳寺170世 清巌宗渭の一行小品
「張公喫酒李公酔」
意味?ですか・・・・
昔々、中国でその辺に棲んでる張さんと李さんがいましてネ、張さんが大酒呑んで大騒ぎしてる中に偶さか李さんがやってきた
騒ぎの本人、これはしめたってなもんであとはよろしく、っといい心地で酔った李さんにその始末を託したもんだ
なにも聞いていなかった李さんですが瞬時にその場を悟って合点承知!っと即座にその騒ぎを綺麗に治めたというはなし
これを禅語では自他の分別を超越した一心不動の体、即ち師弟の関係はかく有る可きかな、ってことです
このことは禅に限らず、およそ師弟関係を交わらなければならない渡世のなかで大変大切な言葉ではありませんか
今年も正月からちょっと硬いこといってしまいましたかねエ〜
でも、景気回復で運気強まるとかなんとかいってもやはり人間関係第一
っとくれば道理ってもんで
は、兎に角本年も宜しく御願い申上げます