街の法律家 行政書士 石山政義による入国管理と外国人在留資格変更にキラリ51

鎌倉は小町通りを入って古代美術店の先の肉やを右へ、その先の袋小路に「しげじ」という小料理屋がある。
つい5日前だったか、ここのカツオが絶品だった。このカツオにはまぐろみたいに霜降りとかというのではなく、持ち前の独特な赤みに、薄く、霧を吹いたという表現が合うのだろうか、口に含むと品の良い脂身がほんのりとフワっと拡がっていくのた。
ウーン、こりゃ、たまらないなあア〜。
どんよりとした御天気のもと、カツオパクパク、冷酒グイグイ呑んで、早いとこ露払いってことで、颯爽と「しげじ」を後にしたものだった。

拙僧宅於鎌倉碧雲山房 母屋裏土手に散在する蛍ぶくろ 鎌倉では一ヶ月以上前から咲いては萎んでいるが雨が去ったあと、はたまた露かかったときは薄紫が花弁の生き々としたすがたにおもわず襟を正してしまう。
さて、前回に引き続き、外国人の就労にかかる日本国が発行する在留資格認定証明書の続きをば。
渋谷の会社を後にした当職は、駅前のスクランブル交差点で信号を待っているあいだ、社長との15年間における様々な受託案件が走馬灯の如く蘇ってきた。
バブルが弾けた間もない頃、といっても、まだその余韻が残っていたはずで、当時、彼はある中堅不動産会社を退職、新規に会社設立と宅地建物取引業免許新規取得の依頼を受託したのを皮切りに建設業許可、風俗営業店舗の買収、さらには子会社を三つも設立し、矢継ぎ早に事業展開していったものだ。
が、その後の不況の煽りをもろに受け、会社は解散、また一介の社員に逆戻り。しかし、彼は負けなかった、六年前のミニバブルに乗って、再び会社を立ち上げ、不動産業を再開し、見事立ち上がった。
流石に彼は同じ鉄は踏まなかった、その後、順調に成績は推移し今日に至ったのだった。当職が見込んだだけのことはあったなア、しかし今回の一件は、やはり寄る年波と情報の速さについていく事が出来なかった結果なのかなと想ってみたものだ。
あれやこれやと考え乍ら、阿佐ヶ谷の事務所に戻り、でかい回転式牛皮椅子にドカリと座り、相変わらずの散らかった机を見遣る度に「ア〜ア、どうにかならんかなア」と思うのだが、仕事に取り掛かるともうダメなのだ。「えーい、ままよッ」てなことの繰り返しが続いて20年かア〜、とか想いながも頭を切替え、机上の雑書類を押しのけ、今回の会社売買に関する書類の作成に早速取り掛かった当職であった。
さて、調印の当日、困ったことが一つ。いったい何人来訪するんだろか、兎に角当職の事務所は狭い、雑然、書類だらけ、の「3S」だと事務員から言われて久しいのだ、況や当職の部屋においてをやア〜。
ま、いいか、後ろ向きには考えない当職のこと、だが、10時ピッタリに入ってきたのは、なんと4人。結局、事務員の椅子を借り出しての打合せと相成った次第。
来訪者は善玉社長をはじめ、譲受人キン・ガバチョ、通訳兼秘書オウ・ビレイ、そして不動産業の実務を携わる日本人社員だ。
早速、当職は今回の趣旨と目的の確認、譲渡金額の特定、今後のスケジュールを説明し、契約調印は順調に進む。
そして、ここからが肝心、間をおいてこう言った「ところでキンさん、いまの貴方の在留資格は短期滞在、1ヶ月を何回となく繰り返していますが、この在留資格就労ビザに切替えねばならないことは御存知ですね」
キンさんは立て続けに捲し立てる当職の顔をみながら目をパチクリしてるものの意味が分かっていないらしく隣のビレイさんに助けを求めている。彼女はニッコリと笑みを浮かべ「シェンシェー、ワカてます、その件、本人、とても気にしてるネ、ただ、どの就労資格とる、分からナイ、センシェーに任します、ゆてマス、アハ」
うん、分かっているのだ、しかしビレイさんは歯並びが綺麗だなあ、しかも笑うと、切れ長の目が奈良時代の伎楽面みたいに品良く微妙につりあがるのだ、けっして美形ではないのに・・・生まれながらの品性ってやつかなア・・・
まあ、それはともかく当職は次にこう説明した「ありがとうございます、ガバチョさんの学歴と職歴を聞いていますと母校では理系の最高学府を、米国でも経営学スクールも卒業ですか」いいねえ、いけるなアと、当職は内心、ほくそ笑む。
続けて「社会人になられてからは本国、米国で金融会社に勤務、そして会社を立ち上げて後は会社経営で金融、不動産投資を手掛けてるようですが規模は不明ですんであとで説明してください。なんだかんだで4年から6年の実務、とうことですと、いくつか考えれる在留資格の経験年数ということではクリアですかね」いう具合にビレイさんから手渡されたキン・ガバチョ氏の履歴書をもとに質疑応答が30分ばかり続いた。
そして「キンさんは日本語はかたことですが文章力はあるのですよね、また英語はもちろんOKですよね。」
続けて「日本で、しかも東京都内を中心に不動産業と金融・不動産投資をしたいがそのノウハウはここにいらっしゃる社員の方に任せることとし、今回を皮切りにM&Aを繰り返し、会社を大きくし将来は母国と日本国の資産家を中心とした双方向投資を仲介したいといいうことと理解してよろしいのですね、ってことはこれはもう投資・経営の資格以外にはないです、はい」と結論付けたものだ。
当職が喋ること、質問をする度にオウさんはその要点を纏めキンさんと顔を見合わせ、母国語でなにやら喋り出すのだがオウ・ビレイさんの発音がとても美しいのにはビックリ。歯と舌が正しく動いてこその結果で、その絶妙なイントネーションに聞き惚れたものだ。
さて、キン・ガバチョ氏の在留資格取得を「投資・経営」で攻めるというこに決定すると、あとは書類の手配となるのだが、ここでクリアしなければならないことがひとつ。
今回は通常パターンではなくM&Aで日本企業買収ということだ。つまり、入管からすれば買収の目的はどこか、それが、本人は勿論、日本にとってもプラスになるのか否か、それと将来性があるのか、そして最後に資金は大丈夫か等の立証資料と理由書、上申書をもとに総合的に判断するのだが、加えてM&Aの手段に違法性チェックフイルタがかけられる場合があり、そのことも意識しておかねばならない。
これらを噛み砕いて、しかし明快、簡単、早口で説いたものだ。そして皆さんはフー、ハア〜、言いながら納得し、最後に契約書にサインし、狭い事務所の椅子だの机だのをセルフサービスよろしく、ガタバタと片付け、上から書類が落ちてこないか気にし乍ら、狭い事務所を足早に帰っていったのであった。
玄関まで送り、当職は椅子にドカっと座り、独り言のように「う〜ん、7対3でいけるかなあ、しかし理由書、上申書の構成が大事だよなあ」などと呟きながら机の横に10本近くも半端が転がってる谷川岳大清水(出勤時、鎌倉で買うのだが勿体なくてつい貯めてしまう)の残りをグビっと、そして目の前にあった大好物、歌舞伎揚げをバリバリっとパクついたのであった
つづく

いかがでしたか。当事務所におきましては、日本中にある許認可申請と事実証明書類作成、また公証人さんの御役目と消費者との歯車的存在である、街の法律家である行政書士が如何に関わっていくかを、他の日記を挟み乍ら、述べていきたいと存じますので御期待ください。

では、また。

石山政義 法務・行政事務所

所長 石山政義 

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