鎌倉碧雲山房は雲襄亭主 石山政義による数寄者の時空遊泳31


当山は於鎌倉碧雲山房 本日7時半の雲襄亭路地。おもったより雪は積もっておらず少しがっかり
鎌倉は海も近いせいか、そうそう雪は望めなく、過去を思い返すとあと一回かなア

居合の友人K氏が永年の願いであった英信流山内派の最高の伝書である根元之巻をいただいたとうことで東京は新橋にて、もう一人の友人I氏と軽く御祝いということに。
ここの蕎麦屋はなんでもある。煮物から焼物、炒め物、丼物、果てはフライもの、っといった具合だ。そういえば銀座の泰明小学校の向う路地を20メートルほど入ったところの泰明庵という蕎麦屋もそうだったなあ、あそこもないものは中華ものくらいだった筈。
まあ、余談はこのくらいにして、話題は勿論、根元之巻だ。そして昨年の鎌倉での拙僧が茶事を兼ねた合同稽古、そして今年五月の仙台で行われる、京都、鎌倉、仙台との合同居合のことと話は尽きない。
ふと藤沢在住の友人がいい頃合とみてか「大雪が降らんうちにそろそろな」なぞと言ってお開きに、っといってこれで納める拙僧でもあらず早速、別の骨董好きな友人A氏と東京駅でおち合い、余興さな、ってことで珍しく回転寿司屋にはいったものだ。
ここでは拙僧、早速、八海山一合を所望、友人はビールで乾杯。
さて、目の前をグルタン回ってわけのわからぬド古いモンには目もくれず、忙しなく、やっぱり皿と一緒にグルグル回ってる板前だかなんだかフニャヘナした得体の知らない輩に声高に「かんぴょう!肴でね」って言うと、汚い割烹着みたいので手を拭きながら目を三角にして「えッ、か、かんぴょうだけですかア〜?」だって。
拙僧、間髪入れず平然と「そうだよ、できるでしょ、そこのプラの赤だか、緑だかの皿に二、三本ねかせて出してくれればいいんだゼ、OKでしょ」
すると横の同僚だのホールの従業員だのとなにやら相談しはじめたもんだ。そして意を決したように白い皿に三本、ヒョロヒョロっと出てきたもんにゃ、思わす連れと笑ったもんだ。
こんな注文はいままでなかったらしいが、なかなか酒とかんぴょうは取り合わせが宜しく、拙僧の好物。引き際にかっぱ巻きを一本頼んでおしまいさ。値、2人で1500円に消費税ってんだからすごい。
さて、ホロ酔い加減でA氏とわかれ、横須賀線で一路鎌倉へ。新橋の地下を抜け品川へ滑り出すと、景色が一変。
オーッ雪だ、やったね、っと、こころはウキウキ。こりゃ、今夜は山頂の雲襄亭泊まりだわい、っと手をもみもみしながら、よお〜し、早いとこ着かないかなあ、雪よ、もっと降れ降れ、なぞと願いを込めて横にあるチューハイをグビチュバッ、とやっていい気分。
鎌倉駅に着くと、ウッヒッヒ、吹いてる、舞ってる、積もってる!
足早に(普通足で5分、必死歩きで3分)母屋に入り三畳台目に一目散。
え〜、っと、李朝徳利に、ぐい呑みは黄瀬戸、それと最近凝ってる楽茶碗四代目の黒楽一入でビール飲むから、これを箱に入れてと。
日本酒は雲襄亭冷蔵庫にあると、チューハイは・・・・とかなんとか独り言。コート着込んでマフラーつけて、いざいざア〜っ、とばかりに庭に出れば、いい調子で雪が乱舞。よお〜し、ここから10分、こうなりゃ、8分で駆け上がるぞっと固く誓い、傘もささずに懐中電灯照らして一気に石段を登ったものだ。
着いた着いた、鎌倉の街並みは暗いにもかかわらず雪の白さで、ぼ〜っ、と薄明るい。これまた久し振りの幻想的風景。いいねエ〜、感極まって二分ほど呆然。
惜しみ乍ら茶室の水屋から中へ入りこむ。おっとその前に、確か冷蔵庫には正月の八海山と出羽桜が・・・あるは、あったわと内心、ニンマリ。
あれ、ふと我にかえればこの姿、背広のままだ。まあいいサってことでコタツにはいって、材料だの道具だのを全部出して準備万端。
まずは一入黒楽にビールを注いでと。この一入茶碗、彼が長次郎を目指したとおり形も素直、見込みも深く典型的な長次郎型である「大黒」を彷彿とさせる。しかし黒釉は一入独特の柚肌に幕釉が口辺から内外にいい具合にかかり、朱釉の発色はないものの特徴が現れており在印であるところが嬉しい。
緑深い抹茶もよろしいが、たまには日本酒だのビールもいい。しかもたっぷりと入るのがみそ。ただし日本酒は酔う注意・・・・なかなかのもので世間では恐ろしくもかしこくも、なんて非難されそうだが、やってみれば結構納得がいくのでは・・・読者のかたも是非に実行あらんことを願うもの。
そう、かの批評の神様であり古美術の目利きでもあった小林秀雄も茶人の垂涎の的であった高麗三島茶碗を平然と当然の如く灰皿だの汁鉢だのに使った、というエピソードもあり、黄瀬戸向付けを茶碗だの鉢だの菓子器にと転用するのと同様、用の美を生かす、要するに機転と臨機応変に対応できるか、ってこと。近代では益田孝こと鈍翁がよく実行していたなあ、況や過去の数寄者においてをや、っと想う次第。
要はそのもののもつ本質を理解しているか否かってことが大事。
っと、そんなことは数寄ものにとっては当たり前さッ、と一息。プッハア〜、美味いなあ、流石に楽茶碗のこととて両手使いであるが、にしてもたまらなくよいものだ、極上のひとときではある。
さて、おもてではサラサラと葉に触れる雪の音が絶え間ない。ビールを平らげたらこの一入楽で日本酒だ。漆黒に近い黒楽に透明な酒がまた生えるのだ。よし、これを飲み干したら次は黄瀬戸で吉乃川だな、なぞとほくそ笑む。
さてもさても自然との宴はまこと静かにゆるりと始まり、深々とした世界にまたしても時空遊泳していく拙僧なのであった。

いかがでしたか、茶の湯と数寄者の世界は。今後、当職の聖職である行政書士としてのキラリ日記を挟み乍ら思うが侭につづっていきたいとおもいますので楽しみにしていてください。



石山政義 法務・行政事務所

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