古美術

数寄モノ語り その197  江戸前の鮟鱇鍋老舗 いせ源

師走 12月には必ず暖簾を潜る店がある 東京は神田須田町にある、いせ源だ 鮟鱇白身唐揚げ 酒器は堅手杯と黄瀬戸平杯 淡路町から6分 相変わらずの佇びた店構えは江戸期の旅籠旅館をおもわせる もう25年通っただろうか・・・ たしか、茶道具専門老舗店の…

数寄モノ語り その194 朝陽の絵

さて、この一枚の絵は私が棲んでる御成山のこんもりとした感じも然ることながら、朝焼けの雰囲気がとてもよく似てるのでここに掲載してみた 朝陽 岩絵具と金銀泥をふんだんに使用した濃淡さは日本絵画の極致 成田陽 画 わずかな朝霞のなか、殆ど無風状態 微…

数寄モノ語り その190 何事も中庸

「守中」 宙宝宗宇筆 大徳寺第418世 昨日はタイフーンの影響でえらい目にあった この日最後の打ち合わせは16時 東京は台東区三筋町といえば下町としてはメッカ ドシャ降りにならんうちに切り上げようと心に決めたもんだ 持ち前の早口言葉と行動の素早さ…

数寄モノ語り その189 大徳寺435世 大綱宗彦の書

今年の観桜機会を失したのは仕事も繁忙であったが 足首を痛めてしまったのが大きかった 四六時中のてんこ盛り書類背負いと 長いあいだの山登りが影響してるかな・・・ ところで、この一行書のハナシ 「一人在日下 」大徳寺435世 大綱宗彦 筆 独断と偏見で…

数寄モノ語り その188 寸切竹花入れ

さて、また茶道具を入手してしまった 御覧のとおりの竹花入れ 寸切竹花入れ 銘「伏乕」 江戸時代後期 充分寝かせた美竹 スラリとした端正なすがたでありながら 中節下にある自然を活かした寂び枯山水が 花入れ全体に重厚感と高い品性を醸し出す しかし、なん…

数寄モノ語り その187 久しぶりのいにしえ茶道具ゲット

先日、江戸期の数寄者茶杓を手に入れた 江戸時代 寛延五年 鈴木立庵作 茶杓 共筒 が、茶の湯はしばらくやっていない しかし、さびや(茶道具商)と呑めば 茶の湯論議はしょっちゅうだし、議論には負けない 往年の経験と小生の道具無尽蔵を根拠に 持論展開が…

数寄モノ語り その183 淡路町のあんこう鍋

たっぷりとイケる古唐津のぐい飲み 冬とくれば鮟鱇鍋 そう、丸ノ内線は淡路町駅から7分程度のところにある その名も「伊勢源」 例年の今頃は必ず通うことにしている 早速、12月16日、いそいそと暖簾くぐると いつもの伝で下足番大将がにこやかに迎えて…

数寄モノ語り その178 粋な御夫婦と小料理屋の器

北大路魯山人作 黄瀬戸向付 今、鎌倉御成山の山中では沙羅、岩たばこがひっそりと咲いている 一か月ほど山頂には上っていないが去年暮れに倒れ掛かった杉の木が気になる 明日辺り植木屋さんといってみようか さてと、久し振りに吉祥寺で呑んだ 気持ちのいい…

数寄モノ語り その177 2月の波音

例年2月初頭の茶事案内は、なんとなく欠席 しかし、師走に数寄者御夫婦と約束した神楽坂の懐石料理は実行と相成った これには少しく事情があったのだった この懐石屋、その名も「一文字」 勿論、店も張ってるが、所謂、出張専門の懐石料理屋 しかし、茶会と…

数寄モノ語り その175 2022年を新たに迎えて

「神光照天地」大徳寺418世 宙宝宗宇筆 花 蝋梅 寒椿 花器 古信楽 令和4年1月1日 謹んで新年のご挨拶を申し上げます 皆様の御健康と御多幸を心よりお祈りいたします ところで、写真の一行書 禅語録のひとつである碧巌録に 「泥仏不渡水 神光照天地」と…

数寄モノ語り その174 茶の湯と、ド派手な金箔茶器

桑木中次茶器 さてと、久し振りに茶の湯のお話しをば この一品 表面的にはどこにもある桑の木で作った、所謂、ズンドウ型の地味な中次茶器 元々は薬器から始まり、陶磁器製の濃茶入を保護する挽家に それが見直されて、寂びれた濃・薄茶器として今日に至って…

数寄モノ語り その172 狩野探幽の不気味な減筆画

さて、久し振りにブログを投稿 江戸幕府、宮内御用絵師、狩野探幽筆「三日月に柳図}69歳の作品 日曜の朝方 ちょっと時間があったので茶室の横にあるお蔵の整理をば 古色整然とした古画の箱を確認していながら っと、気になって取り出したこの一品 母屋に…

数寄モノ語り その170 2021年正月居合初抜き 鎌倉碧水舎道場で

恒例 碧水舎道場飾り 本年は花が少なく苦労しました 謹んで新年のご挨拶をさせていただきます さて、2021年恒例の居合初抜きは 当碧水舎道場に於いて無事開催することが出来ました 昨今のことを考慮すれば流石に自重せねばと思案六法したものでした しか…

数寄モノ語り その168 ゴルフ場の柿が渋いぜ

晩秋の富士山麓に生える柿の陰影 なんだかんだで11月も終わりだナ 今年は古美術商巡りが随分減った 週一は必ずといってよいほど足繁く通ったものだった 銀座から始まって京橋をはしご、そして日本橋へ 勿論、駄ものもあれば極上品もあってサ まさに玉石混…

数寄モノ語り その165 みちのくに骨董ロマンを求めたが・・・

古美術は欲と遥かなるロマンがあってナンボのもん それは奥深くその世界に足を踏み込んだからには 明治時代の染付皿「THE IRONS TONE CHINA・MATSUMURA&CO」15㎝×15㎝ 決して抜けられない愉しくも恐ろしい世界 そこは想像を絶する化け物もいれば 御慈悲…

数寄モノの時空遊泳 その150  令和2年の居合初抜き&茶の湯

草庵 雲襄亭へと誘う乱れ石 令和2年、相変わらずの初抜きに山頂草庵雲襄亭でのおせち料理持ち寄り茶の湯 今年は1月4日の9時30分からいつもの御成山拙宅にて 前年師走からの庭から茶室内準備までと、いつもの庭師さんの協力が必須 当日の茶の湯での、道…

数寄モノ 石山政義の時空遊泳 その146 満ち足りた形姿 三島徳利 

三島徳利 李朝初期(16C) このあいだ、へたゴルフにいってきた 昼、中生ビールやって、止せばいーのに静岡の名酒、臥龍梅冷酒1合飲んで後半に臨んだものだ そーしたらドライバからアイアンまでが全部右へすっ飛んでいく いわゆるシャンクってやつ まあ…

数寄モノ 石山政義の時空遊泳 その144 散花と茶事

2月にしてはやけにアったかい 庭の梅が一斉に咲いちまって しかし、こんなにナマ暖ったかいンじゃ、桜も開花してしまうのを恐れる さてと、世間ばなしもこのへんにしておいて 久しぶりに茶の湯のはなしをひとつ 2月初旬に、っとある茶事に招かれた とはい…

数寄モノ 石山政義の時空遊泳 その139 平成31年正月、雲襄亭之飾り付け

謹んで新年のご挨拶を申し上げます さて、師走恒例の拙僧が山頂の除夜鐘敲き 雲襄亭には今年はゲスト4名の御招きと相成りました 居合いの弟子御夫婦に女流ピアニスト、そして庭師 鐘楼を隣に控えた雲襄亭茶室では9時30分過ぎからの宴会 2時間ちょっと後…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その136 台風渦中に一杯

今年の夏は激暑で、やっとこ秋の気配が、っとおもった矢先の台風24号 で、沖縄、九州で吹荒れてるのを横目に、まずは一杯 これが結構、スリルあって酒が勧んで盛り上がってくると ついつい、季節と環境に見合ったそれなりの道具を取り出だしてネ 今宵今夜…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その135 夢か現か 結城紬

夏もピークを過ぎ、ここ鎌倉では朝夕、すず虫が鳴きだした さてと、此処に出でたる写真一枚御覧あれ 某料亭でのワンショット その道のプロフェッショナルならばお解かりの筈 青胆礬(タンパン)も鮮烈な桃山時代の黄瀬戸平杯ひとつ その杯にひそやかにそっと…

数寄者 石山政義の時空遊泳その131 華正櫻と梅雨におもう

ここんとこ、肌寒かったり、暑かったりで天候も安定しないのは6月の慣わし で、昨日は10月27日に鎌倉で開催される居合大会を睨んでの下見だった 雨のなか、長谷大仏横にある老舗「華正櫻」にて会長、拙僧弟子とで試食と相成った 味は兎も角、昭和初期ま…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その130 今年の初鮎

早くも梅雨入りだとか世間は言っている が、ゴルフ行脚にはそんな予報だの天変地異は無関係 で、そんな中、先だってロイヤルメドウGCで自己ベスト93で回ったのだ IN45、OUT48、パット数30かっきり 勿論拙僧のレベルでのこと、だけどうれしか…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その128  小杉小二郎の蝶画

当山房、4月から5月初めまではシャガの花が絨毯を引きつめたようにビッシリ しかしそれも終わりを告げ、今は皐月が艶やかに咲き乱れている 湿気を好むしゃが花が陰とすれば日当たりに咲く皐月は陽といったところか その皐月の蜜を慾して白、あるいは紫、黒…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その124 2018年 豆まきと某さび道具商の茶事

さてと、2月3日は夜8時30分から埼玉の関東三大御不動尊の寺で節分の豆まきに招かれていたのだった この日は芸能人をはじめ相撲取り、そして招いていただいた拙僧の主催者側の各界の社長等が参加 刻限がくればそれっとばかり、それらに仲間入り、壇上か…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その123

昨日関東に降った雪は鎌倉にも10センチ程積もった しかし雪質としては湿っていたせいか、わりと早く溶けたのは幸いだな 4年前のときは20センチは積もったようでその振りようったら容赦がなかった 大船で電車が動けず締め出されて一晩、駅構内で過ごすと…

数寄者 石山政義の時空遊泳 その122 平成30年の居合初抜きと茶会

今年も穏やかな正月を迎えて恒例の初抜居合は平成30年1月3日10時20分に始まりました 演武者6名のギャラリー7名と、まずまずの筆下ろし 各者、それぞれの個性ある山内派居合を5本から7本程披露したあとの雲襄亭での茶会 以下、道具組合わせを記し…

数寄者石山政義の時空遊泳 その121 師走のお歳暮御礼

さてと、いつものこと乍らのアッと云う間の師走を迎えてしまったナ 今年も様々な出来事が走馬灯の如く蘇っては消えていく 仕事、古美術、茶の湯、山、果てはゴルフ・・・・・・・ どれもこれもが喜怒哀楽の連続だった、ゴルフは別だけどネ 何故ってチョー、…

数寄者石山政義の時空遊泳その120 師走にちょっと一杯

さてと、平成29年もいよいよ押し迫ってきたし、公私共々大わらわ そんなときには事務所帰りの立ち寄り一杯位の余裕をもっていないと、師走はとてもじゃないがやってられない で、御他聞に漏れず今宵今夜は阿佐ヶ谷での19時10分の酒盛り光景 行き付けの…

数寄者石山政義の時空遊泳その117 京都 夕ざりの茶事

拙僧の住処、三畳台目の茶室からは朝な夕なに蝉の鳴き声がとても喧しい 自然の巡り会わせとは言うものの、春夏秋冬、日本の四季ほどはっきりしたところはほかにないのではないか 生を享けて以来、日に日にそのことの大事さを想う今日この頃 そう想いつつ、此…